リサイクル親父の日記

第307話 俺には来ない同業の廃業買取話・・・

2011/06/29

リサイクルショップは10年前頃から急増したが、ここ数年は廃業も増えている。
車で数十分圏内で知っているだけでも7~8店は廃業に追い込まれている。
近くの同業者は基本的には競合だから、俺は普段の付き合いはしていない。

顔見知りではあるが親しい関係はないから行き来もしてない。
ある日、そんな店の前を通ると別のリサイクル店の車が止まっていたりする。
大勢で店内から品々を運んでいるではないか、遂に閉店したんだと同情もする。

問題は運んでいる店が、これ又近くの強力な競合店であって、これには少なからずショックを覚える。
その強力な大型店は店舗が大きくて、品物は幾らでも飲めるのだ。
噂によれば、震災後は売れまくっているから、セリの仕入れでも大量に独り占めして買いまくっている。

手も足も付けられない、俺とて競争しても足元にも及ばない。
ただ指をくわえて眺めているだけだ。
震災特需はリサイクルショップ業界を盛り上げているようだ。

東北全体かどうかは分からないが、太平洋側のリサイクルショップが活況らしいのは間違いない。
俺の店でも震災特需現象はある。
電動工具が勢いよく売れている、その結果、在庫払底状態だ。

工具に道具を流された職人さんたちが買いに来ているが、入荷が全くなくなってしまった。
お客さんは、一応は値引き交渉を言ってくるが、それを断っても値札で買うという意欲がある。
仮設住宅の人々には小振り家具が引っ張りだこであり、入荷するとアッという間に売れている。

すると店は品薄で、しかも欠品が増加して、空振りするお客さんが相当出ている。
欲しい物、買いたい物が見当たらない店はお客さんには魅力なんてある訳がない。
だから、俺もまとまった買取をやりたくてウズウズしてる。

ところが、そんな話はきたことがない。
廃業する店として考えれば、強大な店の方が金もあるし力もあると思えるだろう。
どの様に考えても、俺の店には声がかからないということ。

日常の買取に精を出して糊口をしのぐという現実からは逃れようがない。
まとまった買取が無い訳でもないから、その時に少し売上ができて・・・
暫し低調期間があって、又、ちょっとという具合に刃山の小さいノコギリ商いであろうか?