リサイクル親父の日記

第317話 それは「なんでも鑑定団」に・・・

2011/07/10

仙台市青葉区宮町は意外に古い家が残っている。
幹線道路沿いにはマンションや商店、オフィスビルが多いのだが、一歩中に入ると古い家がまだある。
年に何回か古い家から買取依頼が舞い込む。

でも地域は道路が狭くて一通が多いから、2tトラックで行くには不便すぎる。
軽トラや乗用車は問題ないから、それで対応できる分量であれば受けるようにしている。
2tトラックの場合は、品物を吟味するし、人手も増やすし、駐車スペースを見極める。

震災後に解体せざるを得なくなった家に買取に行った。
乗用車に積めるだけ詰めて帰ってきたが、残した物もあったが、事情が事情だから諦めもつく。
昨日の夕方の電話で、男性が「直ぐに解体工事を始めるので、明日にでも来てもらえます?」と言う。

古い皿と食器、置物では期待ができなかったが、「・・それと、蔵にも・・」と言ったので、急に興味が湧いた。
翌朝現場に着くと、200~300坪の庭は雑草が鬱蒼としている。
本宅は築40年くらい、脇に木造の蔵が確かにある、こっちは戦後の造りだろう。

飛び石敷き庭を雑草を掻き分けて進むが、蚊がウヨウヨ舞っていて栄養満点の俺に寄ってくる。
居間と床の間2座敷に壺に掛軸、飾り物が無造作に置いてある。
検品を終えて蔵に向かう、真鍮火鉢に大工道具などを選ぶ。

「建い取りできる物は4分の1ですね」商談は成立、それ以上は積めないということだ。
電話の男性の父親が言う。
「ここは叔母の家だったんだが・・俺の家にさ、蕪村の掛軸があるんだよ、見てもらえないか?」

「それはそれは・・まぁ、そんな高名な掛軸ですか・・わたしは無理ですね」
真贋を鑑定できる筈も無いし、仮に本物でも買うことができない。
同時に高名な掛け軸ほど贋作だと思って間違いない。

「死んだ親父が持っててよ、昔見てもらったら本物だってんだ、だから・・・」
「う~む、テレビの鑑定団にでも出してはどうなんですか?」
側で聞いていた奥さんがしびれを切らしていた。

「ハガキも手紙も出したのよ・・3回も、でも全然ダメ・・写真も撮って・・」
「そうですかぁ~全国からたくさん応募があるんでしょうから・・」
父親は凄く落胆してる、しかし、俺もどうしようもない・・

その後に積み込み作業に移って、なんとか終えたが、最後にチョッとだけ余裕があった。
目感で積める分だけ選んでいたが、その感がほぼ合っていると自画自賛した。
「ありがとうございました、今度は鑑定団でお会いしましょう」と辞した。