リサイクル親父の日記

第320話 賑わってたセリ場だけど・・・建物がどうしようもないんじゃ・・

2011/07/13

店の近く、国道4号バイパスを南下した隣町にセリ場がある。
同業者の交換会であり、同時に専門の買取業者が10人くらいいる。
買取業者はセリ場専属であり、会に加盟していて、買取情報をもらって出回る。

会と専属業者は特別な関係で、加盟料を支払い、トラックを持てば、誰でも今から直ぐに買取業者になれる。
会からノウハウも情報も保管場所も全て手当てを受けられる。
セリの当日にオークションに出品して売るが、手数料を会に徴収される。

セリ場ができた頃は、俺の店としては買取が横取りされてしまい大変だと思った。
かれらが大きくなるほど、確かに買取は減ったが、原因はそれだけでも無かった。
リサイクルショップが隆盛を極めつつあり、そここに出店が続き、相対的に買取が減ったのだ。

俺もそのセリ場にちょくちょく参加してたが、セリ場が栄えるということは、物が高くなるという現実でもある。
セリは買いたい人が多いほど、値段が上がってしまう。
誰も買いたくない場合は悲惨なほど安いという面もある。

大震災でセリ場の建物が相当な被害を受けて、復旧できそうにないという。
今も再開は見通しするたっていない・・場合によっては、休会もあり得るかも知れない。
先日、買取業者の1人が俺の店にふらっとやって来た。

「もし、よかったら、在庫品を買わないか?」そんな申し入れだ。
「・・でもね、セリ場の相場は・・値段が合わないんじゃないですか?」
俺も買いたいが値段が高いと商売にならないし、でも無下に断るのも芸がない。

「オークションがあった時は、何でも売れてが・・・1個、2個で出張しても合わないし・・」
セリ場が無くなってからの苦悩を口にする。
「本部は助けてもくれないし・・今は自分で買取して、売るしかないし・・それ以上はノウハウもないし・・・」

確かに、宣伝をかけて、倉庫を持って、買ってくれる店を探す、初めてだから全てに大変な苦労をする。
「仲間のみんなも・・自立できてるかどうか・・止める人も出るかも・・」
どんな商売も食えるかどうか、採算が合うかどうか、それが決め手でもある。

「加盟金は戻るでしょ?」と俺は野暮なことを聞いた。
「そんな本部じゃないよ!」彼は即答した。
そして、枝分かれ現象が起きて、色んなリサイクル屋さんが増えるかも?