リサイクル親父の日記

第331話 嘘つきリフォーム屋じゃねぇ~潰れちゃうよ

2011/07/24

電話での話だった。
「事務机が7~8台あるけど、買取してくれる?」
イントネーションが尻上がりで、鼻もちならない生意気そうな感じを受けた。

歳の頃30歳代だろうか、言い方が上から目線的に思える。
使用年数や状態を聞くと、
「6~7年前の物ですよ、チョッと天板が日焼けあるかな、でもイイ状態だと思うよ」

第一印象が当たる場合もあるし、全く外れることもある。
俺はいつも品物だけを考えるようにして、例えば外れでもしょうがないと諦める。
可能性があれば労を惜しまず出かけるのが、この仕事だろうと覚悟している。

「株式会社XXX、総務のイト―です、兎に角見積もってよ」
最後の言葉も苛立つが、物だ、物だと気を静めて向かった。
2階建ての事務所は、1階がショールームでダイニングセットや木製家具が綺麗に飾られている。

定休の看板が出ているから、俺は裏口がないかと後ろに回って探す。
鋼製扉を開けて入ると、事務机が7~8台並んでいて、それが2ヶ所の島となっている。
想像した男が無愛想に名刺を差し出してきた。

「こっちは未だ使っているけど、あっちを頼みたいの・・」
俺は指された島の机を凝視したが、どう見ても20年くらい前の物。
近づくと傷んでいて、更に引き出しが無い物もあるし、塗装が剥がれている物もある。

俺が憮然としたのを分かったのかも知れない。
「買取って言っても、引取だけでも構わないが・・・どうです?」
机の数で考えれば20人ほどが居てもおかしくない。

この建物はここ1~2年前にオープンした、何故なら、ショールームや立て看板も外装も新しいのだ。
今事務所には彼と事務員一人だけで、机上はどれも散らかっていた。
呆れた俺は、引取ですか? 無理ですよ、これじゃ売れる訳がありませんね」

嘘を平気で言う社員がいる会社、全容が容易に想像できる。
外見だけ繕ってる、そんな会社じゃ、リフォームの仕事も心配で頼めない。
もっと正直に誠意を持って取り組んでもらわないと・・・困る。

疑心暗鬼で付き合うのも嫌だから、気心が知れれば長い付き合いを大切にするのだ。