リサイクル親父の日記

第332話 いけない、そこはいけないってば~~

2011/07/25

リサイクルショップとしては、何処まででも買取に行く場合がある。
それは買取品の内容次第で、距離との兼ね合いで考えるが、それに地域での予測も加わる。
仙台は学園都市としての一面もあって、学生が多くいる地域は結構買取回数も多い。

青葉区の宮城県美術館付近からから国道48号線八幡付近も学生が多く住んでいる。
今日はその地区への出張買取だった。
男で学生だと電話では思えた。

しかし道路が狭くて難航する地域でもあり、電話の後に急いで住宅地図で確認した。
住宅地図が正しいかどうかは判然としない場合もあるが、道幅が思いの外広いからトラックでも行けそうだと感じる。
美術館を過ぎて大きく湾曲する道路を走って、山沿いに左折して急な坂を登るのだ。

楽に左折ができて坂に登り始めたら、前方に青い制服の人が立っていて、棒を左右に振って進行を妨げる。
道路には赤白バーが見てとれる。
トラックを止めて、ウインドー越しに俺は聞いた。

「上に行きたいんですが・・」
少し先の制服の人が答える「いけない、そこはいけないって・・」
いけない、行けないって、そりゃ困る。

仕方がないので俺は少しバックして本道に戻って、その先の別の登り口へアプローチしようとした。
・・が、しかし、そこは道路幅が狭いからトラックでは難しいと感じた。
今日は諦めようと、その場を離れて本道を進んで広い場所でトラックを止める。

彼にケータイを入れる。
「・・通行止めで行けませんよ・・だから、明日だったら軽トラで行こうと思いますが、どうですか?」
「あ~、そうですか・・えぇ、明日でも・・」落胆した声だが、今更どうしようもないのが実情である。

翌日、俺は小さいトラックで向かった、そして、通行止めを避けて一つ先の角を登った。
急な坂をコチョ、コチョと数回曲がって登る、どんどん高くなっていく。
そして大きくグワーンとカーブを進むと、レンガ造りの大きな洋館が数棟建っているのだ。

そこは仙台市が一望できる高台で、眺望は素晴らしい。
そして、遂に登りから斜面を急降下する如く学生のアパートへ砂利道を進んで行った。
とっても大変な山登りって感じだ、アップ、アップ、アップ、ダウン、アップ、アップ・・・

それでも1日遅れの買取は無難に終えられた。
同じ道を帰ってきたが、最も驚いた発見があった。
なんと、その上部、上方に新たに宅地開発をしているのである。

見上げると10m高さのコンクリート壁が数段もあって、ブルが土を均したりしている。
今後の買取の時には、この地区は用心深く検討しようと誓った。