リサイクル親父の日記

第333話 こだわりって出費が莫大だよね、それでも放すの?

2011/07/26

引越しで不用品がでるのは、理由が分かる気がする。
引越し先まで持って行くほどの物ではないとか、この際に新調するからとか、引っ越し料金を押さえるためとか・・・
引越し費用も10万円とか20万円とかかかるし、安くするに越したことはない。

人にはそれぞれ好みやこだわりがあるが、時々、幾ら考えても理解できないことがある。
例えば、ブランドのバックなどがあるが、異常に高額な品がある。
ブランドって意味が分からない場合がある。

宣伝広告費や利益が物凄くかかっているのだろうが、俺の貧乏人根性ではあまりにも度が過ぎていると思う。
付加価値とか知的所有権であり、憧れの代償としてなんだろう。
リサイクルショップだから色々なセリに出かけて分かったことがある。

セリでは、物の本質だけを見ることが大切であり、軽佻浮薄に陥ると、大きな失敗をしでかす。
出品者が盛んに売り込みをかけたり、気のありそうな人に積極的に過剰説明をしたりする。
この10年間の経験で何度も痛手を被ったのは、やはり俺自身の未熟さゆえである。

「・・ブランドの家具です、XXXなんですが、2~3年前に買って・・・」
今朝、彼女のアパートに着いて、それを目にして、俺はポッカ~ンと呆れてしまった。
「エッ!? これですか!!」と素っ頓狂な声が出てしまう。

昔あった木のリンゴ箱、当時はソッペで木箱を造っていた。
木箱よりは全体的の大きくて、もう少しガッチリはできている。
全面に観音開きの扉があって、赤い色が塗ってある、持ち上げると見た目より軽いからガッカリした。

「・・艶消しのペンキです・・だからコップの跡が付くんですかね・・」
「ちょっと聞きたいんですが、これ幾らで買ったんですか?」
彼女がカタログ雑誌を開いて示した値段は、なんと13万円ではないか~~!?

もう1点、2人掛けソファーもブランドだが、レトロ風で異常に軽くできていた。
「こっちも高かったの?」
「・・えぇ~~」と今度は気弱に頷く、俺があんまり呆れるから恥ずかしいのかも知れない。

「そんなに高かったんだもの、持って行ったらイイんじゃないの? 安くしか買取できないんですよ」
彼女は何の迷いもなく即答する。
「もう飽きちゃったの、いらないの、好みが変わったの」

ブランドを外して考えると、店で売るとしても数千円がイイところ、査定は押して知るべしだ。
隣の部屋に楢材の折り円卓があった、こちらは本当にアンティークな味が出ている。
「俺はこのテーブルを買いたいんですが・・」

「ダメ、それは絶対売らないわ、すっ極く気に入ってるの!」声が強い。
レトロ風からアンティークに彼女の嗜好が進化しだしているのだろう。
こんな風にアンティーク志向は人々に継承されているのかな・・・