リサイクル親父の日記

第346話 元気モリモリの彼は・・・

2011/08/08

仙台で店を始めた頃からの知り合いだ。
当時、彼は同業の大型店の店長をしてたから、普通にはライバル関係であった。
目と鼻の先とは言わないが、比較的近距離で、且つ、全てに凌駕されていた。

彼の店に勝とうとは考えなかったが、せめて踏み潰されたくないと思っていた。
敵う筈のない戦いではなくて、俺が生きるための方策を模索した。
たまに彼と買取でバッティングするとか、セリ場で会ったりするようになって、俺はフレンドリーに近づいてみた。

彼は敵対視することがなく、或は、歯牙にもかけずに俺に接していた。
4~5年前に彼は独立して、晴れてリサイクルショップオーナーになった。
しかし、故郷に近い田舎に構えてしまい、あえなく店をたたんだ。

仙台に戻って彼は再出発をしたのだが、今度は便利屋家業だった。
リサイクルショップの表と裏を知り尽くしている彼は、便利屋としてあらゆることをリサイクルに活用する。
マンション管理会社からの片付けを請け負うとか、買取をこなすとか・・・

リサイクルのセリ場で、片付け品の中の売れそうな物や買取品をオークションに出す。
勿論、ネットオークションにも積極的に出品しているのだ。
何を思ったか、昨年秋口頃から俺の店にも持ち込むようになった。

俺とて仕入れが増えるのは大歓迎である。
しかし俺は指し値はせずに、いつも彼の言う値段で買っている。
何故なら、心難いほどに絶妙の値段を言うのと、俺の状況を理解しているからだ。

「今回は、掃除や手入れに手間がかなりかかるから・・・」
「バリバリの新品に近いし・・・」
「この辺は、サービスしておきますよ・・」

そんな前説はもっともだし、俺も否定できる言葉はない。
そんな彼に震災以降に相当な数量を仕入れさせてもらったから、何とか店は欠品を少なくできたのだ。
常に便利屋とリサイクルを行き来しつつ、更なる方策を模索している。

今日、彼はいみじくも言った。
「・・店をやる気はないし・・パッと素早くプロに売り切った方が断然イイ・・店は物と人の管理がしんどい・・・
プロは現状で売っても問題にはならないし・・店ではそんなことはできない・・・俺の性格にあっているし・・」

俺も同じ考えは持っているが、店売りはそれなりに手間暇がかかる。
手間を掛けずに売りさばくことにも、もう少し頑張ってみようかと思ったのだ。
俺もモリモリと張り切りたいしぃ~~