リサイクル親父の日記

第350話 こいつ、リサイクルショップで働いてたんで・・・

2011/08/12

引越しで余ったとか不要になったとかという理由で売る。
大概は引越し先の家に入らないとか、わざわざ持って行くまでもない物だったりする。
時には、引越し先まで持って来たけれど、ダブったりサイズが合わない場合もある。

「・・エアコンです、去年買ったもです・・業者に外してもらいました・・それに食器棚も・・」
エアコンはもう少し早い時期だったら良かったのにな、と思った。
でも、欠品を幾らかでも解消できるのは嬉しいし、新しければ来期の在庫でも構わない。

その後、彼女は「幾らで買ってももらえますか?」と聞いてきた。
メーカーと型式を確かめて、それなりの幅のある回答をして「食器棚は現物を検品してから・・」と付け加えた。
旦那が居る時がイイということで、買取日を日曜日の朝にセットした。

真新しいマンションの7階の部屋、長身の旦那と小太りの彼女に幼児がいた。
「引越して来たばかりで・・・エアコンが付いてたんでね」
旦那の説明の後、俺はエアコンを検品したが、彼女の説明に間違いも無く良品で状態も最高にイイ。

「何の問題もないから、電話で話した通りの高い方の金額で買いますよ、それと食器棚も良品でしたね」
買取金額聞いて二人は満足した。
「こんなもんだよね、それでイイかな?」と旦那が彼女に一応聞いてた。

微笑みながら彼女は首を縦に振って「えぇ」と答えた。
俺は蛇足だが「高い査定してますよ」と付け加える。
すると旦那が「こいつ、リサイクルショップで働いてたんですよ・・だから値段分かるんですよ」

俺は興味だ湧いた。
「奥さん、どうですか? その店より相当高いと思いますが?」
彼女は「えぇ~高いです、助かります」と微笑みがこぼれそうになった。

埼玉から転勤で引越して来た。
以前、彼女は近くのリサイクルショップでパートだったが長く働いていたのだ。
リサイクルショップが流行り出して10年以上経っている。

そこで働いた人たちも膨大な人数だろう。
そんな経験のある人とも時々出会うことが増えてきている。
更に、その中から独立したり、ネットオークション出品者もかなり増えている。

リサイクルショップでの起業ほど容易なものは無い。
イニシャルコストが極端に少なくて済むから、但し、ランニングコストを稼ぎ出すのが年々難しくなっている。
低家賃であれば、次に物を多く集められれば、起業しても潰れる心配はないのだが・・・