リサイクル親父の日記

第356話 ドンドン下がる液晶テレビだもんね・・・

2011/08/20

全国的には全面地デジ化したが、被災地3県は来年3月までアナログ可である。
このテレビの変遷には買取で多くの失敗がある。
ちょっと前までは液晶テレビは超高級品だった。

それが普及するに従って価格が下がっていき、普及速度が速くなっていった。
俺は店で買取すると、一般販売よりも自宅に持ち込んだりした。
買取価格も高くて、販売もそれなりに高くしないとならないから、非常に売れ難かった。

そして数カ月すると、新品が高性能で安くなってしまうから、店のテレビは益々売れ難い。
しかし原価を割ってまで販売する訳にもいかず、所謂自家消費せざるを得なかったのだ。
1インチ1万円が5千円に急落して驚いた。

と、思っていたら、現在は1インチ1千円、実に10分の1のあり様ではないか。
似た現象はPCでも起きているから、最新デジタル製品は気が抜けないと感じている。
そんな時にテレビ買取の電話があった。

「家電は買取するの?2011年製パナソニックのテレビ、型式はXXX32XXXで3月に買った物・・・」
実に正確に伝えてくれているが、俺は11年、32,3月の言葉が頭に入った。
「買取価格は幾らですかね?」と彼は続けている。

「えぇ~、取説もリモコンもありますよね、今年の3月ですか・・・」
と言いながら、査定金額を考えていた。
「そうですねぇ、32インチですし、テレビは値下がりが激しいので・・X万円ってとこですね」

するとアッサリと「それでイイですから、いつ来てくれますか?」と了解したのだ。
彼の部屋は3階でドアーと窓が開け放たれていて、風が気持よく抜け通っている。
思わず俺は聞いた「どうして売るんですか?買ったばかりなのに」

「残像がきついんですよ、僕はアナログが好きでしたが、地震で壊れて・・・でも、残像が気になるんで」
心配になった俺は、その場で電源を入れて映像を確認する。
鈍感なのか、俺にはどうしても残像は感じないし、むしろ綺麗な画面にうっとりした。 

部屋の壁は床型天井までの本棚が造らてて、何やら難しい本が隙間無く収まっていた。
机には大型画面のPCがあって、手前に難解な本が開かれていたのだ。
何かの研究者とか芸術家とか、まあ俺とは全く違う生き方をしてるは間違いない。

店に戻ってテレビをネットで調べると、何と3Dテレビなのである。
とっても安過ぎる買取になったけど、彼は平然としてたのを思い出した。
やはり観点や視点が異次元的だと改めて思った次第。