リサイクル親父の日記

第361話 某温泉旅館での接客に・・・

2011/08/25

幼馴染の友人たちが俺を気遣ってくれて、それで時には一泊で飲もうかとなった。
小売という商売は店を開けて何ぼの世界でもあり、常連さんを思えば軽軽に休業もし難い。
店を終えてから、仙台の奥座敷と呼ばれる温泉の某旅館に向かった。

彼らは先着して俺を待ってくれていたから、俺は少々急いて玄関に向かう。
玄関は大きな屋根が覆っていて、和風造りで重厚な趣向がある。
敷き石が気分良くて、小橋の下に池があって、水面に夕暮れがユラユラと映っていた。

「前に来た時にさ、この池で泳いだよ」と、俺は得意の親父ギャグを高揚感を抑えきれずに発した。
でも、それは俺の連れに対してのジョークだったのだが・・・
ところが、連れ以上に迎えに来てたフロアー係員が歯を剥き出しに笑うのだ。

気を取り直した俺はチェックインを済ませて部屋に向かう。
温泉は二の次にして、個室宴会場にみんなで着席する。
しかし、仲居さんが来る様子が無くて、それでも俺らは再会の報告で時間を潰してた。

やっと仲居さんが来たが、挨拶もなく、「お飲み物は?」と注文を聞く。
「最初はビール、生ビールください」と告げたら・・・
「ビールは瓶だけですが・・」と平然と答えている。

俺らは顔を見合わせた、みんなの落胆が大きいけど、ワインを注文したんだ。
料理は目の前に7~8割は並べられているが、やはり乾杯をしてからと思って、又しても談笑に耽る。
暫し時間が経って、仲居さんはワインとグラスを持って来た。

目を疑わずにはいられない、ワイングラスが曇っていて、且つ、滴が少しだけくっ付いている。
料理の説明もなく、それでも俺らの目的は再会談笑だからと俺は押さえていた。
仲居さんが部屋を出る時に、「あの~、料理を食べてもイイんですか?」と皮肉を込めて聞いた。

終盤になると、和牛すき焼きというメイン料理になった。
仲居さんは「卵は温泉卵です、一緒に混ぜても、温泉卵にすき焼きを付けても・・・」と初めて説明をした。
すき焼きは生卵で食うものだと思っていたけど、これは珍し過ぎると感じた。

鍋の蓋を開けると真ん中にオレンジ色の半球があって、その周りを具材が囲んでいた。
「これは何ですか?」と聞くしかない。
「トマトです、サッパリしてて好評ですよ」、当然ですが、仲居さんは当たり前の様に答える。

ネットで案内を見た時には「黒毛和牛のすき焼き」という表現で、それがトマトと温泉卵とは驚きだ。
食事を終えて部屋での見直しをした。
翌朝はバイキングだ。

給仕は無く、思い思いに食いたい物をテーブルに運ぶ。
飲み物コーナーのテーブル上にビールサーバーがあるから、昨夜より驚いてしまった。
車でないお客さんは飲んでも問題は無いが、夕食時の生ビールを提供するべきではないかな?

伝統とうわべだけのサービスは、果たして永遠でしょうか?