リサイクル親父の日記

第372話 先生~こんな場所でぇ~~恥ずかしい~

2011/09/05

子供の時から虫歯が多くてひどかった。
小学生の時に通った歯医者の記憶がトラウマになっていた。
少々痛くても我慢をして、堪え切れなくなって仕方なく診てもらうという案配。

3年前に歯科医のお客さんがいて、ある日、歯の治療のことを聞いた。
そして、その先生に治療をしてもらうこととなった。
足掛け2年超も治療を受けていた。

最後に診てもらったのが今年3月の震災前である。
「今日で治療は終わったが、使用してから歯の具合を調整する必要がある」
だから、3月末頃に噛み合わせの調整に行く必要があった。

大震災のために予約はすっ飛んだ。
歯の治療どころではないのが現実であった。
上手い具合に治した歯は調子が良かったし、俺は久しぶりに噛んで食べる喜びを味わっていた。

震災後は色んなことがあったし、肉体的にも精神的の馬力を入れていた。
食事も節制を忘れてしまい、喰いたい物を食うようになっていた。
肉や魚は当然で、少々硬くても治した歯で無事(?)に食えてた。

それもしょっちゅう続けてたら・・・下側の右奥の擬歯が少し動いていた。
擬歯は3~5本連結構造であり、上も下も右と左と4ヶ所もセットしてあるのだ。
だからほとんど俺自身の歯は無いのだ、入歯だと日々の管理が煩わしかったから治したのだ。

先日、先生がひょっこり店に来た。
「空港まで用事があってさ・・震災はどうだった?」
先生の言葉に俺は被災状況や復旧状態を説明した。

「最近なカラオケに凝ってて、患者さんのママの店に行って唄ってるんだ・・CDももらったから、コンポがないかと思って・・」
そして、俺の店を思い出して、用事の帰りに寄ってくれた。

「ところで、あの後、歯はどうだい? 問題ないか?」
突然医者の目に変わった。
「えぇ~何とか・・こっちが少し動いて・・・」

俺が説明してる最中に、「どこだ」とカウンター越しに身を乗り出した。
「口あけて・・」と命令調、やはり職業意識が出てしまう。
俺は口を開けた、すると、先生が手をむんずと伸ばして、指で擬歯を掴んで動きを確認した。

これは絵にならないよ。
イイ親父同士でリサイクルショップのカウンター越しに、口に指を突っ込んでいるのだ。
・・・