リサイクル親父の日記

第374話 部屋に置けなくてぇ~買取してください

2011/09/08

電話で話しているとポイント以外を忘れてしまうことがある。
彼女からの電話もそうだった。
「引越して・・部屋に置けなくて・・買取して欲しいの・・・」

食器棚、テレビボード、引き出し式の棚なので、使用年数も数年だったから問題は無い。
仙台市泉区八乙女という地域で川沿いの細長いマンションである。
建物全周が工事用ネットで覆われていて、玄関付近が僅かに開いている。

玄関床のタイルがバラバラ剥がれている、エレベーターホール内の壁も亀裂が数条ある。
エレベーター内部にはグルリと全面に養生があり、張り紙が数枚、どれもに注意書きあった。
ここも地震被害が相当あるのだが、何とか住むことはできているようだ。

依頼者の部屋には彼女と夫と思しき二人が待っていた。
狭いリビングの奥に家具は置かれていた。
「大塚家具なの・・高かったわ、でも、この部屋に置き切れないから・・・」

「エッ、ここに引っ越してきたんですか? わざわざ運んできたの? 部屋の広さが分からなかったの?」
一般的には引越す場合には、次のマンションの間取りを調べるんじゃないかな?
「建物しか見れないの、部屋は一杯で見てないの・・だから、時間も無かったし・・」

「それで、ここですか?こんな傷んでるのに?どちらから来たんですか?」
「関東かから越して来たけど・・探しても他に物件が無いって不動産屋さんが言うし・・」
確かに震災後には民間アパートや賃貸物件は引っ張りだこだった。

不便な場所は別にして、便利な場所は人気があった。
ここ泉区八乙女は地下鉄も走ってるし利便性はかなり高いから人気もあるだろう。
それにしても無口な夫である、彼女は良く喋るけど、彼は一言も発しない。

買取値段交渉も彼女としたが、二人は小声で協議はしてた。
社交や外交は彼女がすべて取り仕切るのだろうか?