リサイクル親父の日記

第377話 無愛想だが嘘は言わないから・・・

2011/09/11

リサイクルショップも様変わりしているかなと感じる。
大型店やチェーン店、広い意味では古本屋も質屋の店も全てにおいてサービスが向上した。
店舗造りも内装や外装も質が良くなっている。

まるで新品の店舗と何ら変わらない程に上質なサービス提供をしている。
振り返って俺の店を考えると、旧態依然とした昔風のサービスではないのだろうか。
起業した十数年前と進歩はしてなくて、あの時に考えたシステムを踏襲している。

販売には極力人手をかけない、かけないことでコストを下げて品物を安価にする。
突き詰めて考えた結果のリサイクルの本質であった。
だから元々小売業を知らない俺は、愛嬌良くするとかオベンチャラは苦手だ。

ある老夫婦が来て、旦那がキラキラピカピカのメッキ指輪を買うという。
「どうだ似合うかな?」と聞いてきたが、答えようがない。
ヤング用のファッションリングだから普通は似合う訳が無い。

「・・え・・う~ん、ご本人の気持ちの問題だから・・何とも・・」と言い淀んだ。
旦那は良く見ると歳に似合わずに若づくりが大好きなようだ。
最近増えてる人種、歳は関係なく遊び感覚で流行を真似てる年寄りたち。

「この店は売る気が無いねぇ~いつも無愛想で・・・」
褒めて勧めてくれないから少し失望したのだろう。
俺も心にも無いことを売るために言うのは嫌だし、冗談だったら言えるかも・・

その夫婦が1月振りで又来た。
今度は旦那は石のブレスレッドを手に取った。
「どれがイイ? これかそっちか?」

俺は答える「・・まぁ、好き好きですよ」
「あんたはいつもそう言うよな、無愛想で・・でも、嘘は言わないわな、そこがイイが・・」
決して無口な俺ではない、ツボにハマると饒舌にもなるのだ。

人生の大先輩に対して失礼なことも言えないと思っている。
だから寡黙に接しているのだが、胸襟を開けるように進化すればそれは別。