リサイクル親父の日記

第380話 復元力のある人かな、元気に生きましょう

2011/09/14

食器棚とダイニングセットの買取依頼であった。
「・・10年くらいだと思いますが・・・もらい物なんで・・いらないから・・」
状態は良好というので、買取できそうに思えた。

泉区桂は閑静な高級住宅街の1戸建て、その地区は歩道も整備されているし街路樹や緑地も多い。
4号バイパスから小高い丘を登って行くと、パァーとゆったり感が漂うのである。
密集地区から優雅な地区へと変貌するから驚きがある。

区画も広めで解放感や余裕も感じるのである、その意味でも高級住宅街だ。
穏やかな旦那さんと笑顔の素敵な奥さんの2人が待っていた。
「朝早くから御苦労さまです」と俺らを労ってくれる。

玄関アプローチはタイル張り階段数段で広いし玄関扉も重厚な板張りで高級感がある。
ダイニング兼リビングは広々として明るい、大きな液晶テレビが印象的だ。
「・・石巻の半島に家があったんだけど津波で流されて・・それで引越したんですが・・・

・・中古でここを買ったら、前の人が置いてってくれたんだけど・・ちょっと大き過ぎるし・・
新しいのをこの際、テレビも買ったんだすよ、それで捨てるには勿体なくてと思ってね・・」
「その通りですね、問題なく買取できますよ」俺も同調した。

「前の家は4年前に新築したんだが流されてね、地震保険で残金は返して・・・中古は又ローンで・・」
「でも仕事は・・こんなに遠くに来て大丈夫なんですか?」素朴な疑問を口にした。
「単身赴任なんで、そこは問題は無いけど・・お袋とわたしら3人だし・・」

奥さんが「娘がこの近くに住んでますのよ、だからかえって良かったかもしれません」と笑顔で言った。
生まれ育ったの半島の街で、そこに自宅を構えていた。
仕事は大きな会社勤めか公務員らしい、結婚後もずっと単身赴任生活を送っていたようだ。

自宅を流失しても、気持ちの切り替えができたし、それなりのお金もあったようだ。
「テレビはね、前より大きい物にしたんですよ、悔しいからね」と裏ずけていた。
良好な食器棚もダイニングセットも申し分ないのだが、自分たちの本当に気にった物に買い替えたのだ。

被災して落ち込んでてもしょうがないだろう・・・
復元力のある人は早く日常を取り戻せばイイし、そして元気に頑張ればイイ。
1人、2人と元気を取り戻して、更に3人、4人と増えるに越したことは無い。