リサイクル親父の日記

第381話 いざ仙台に家具を買いに出陣ってか?

2011/09/15

避難所生活では家具を買い揃える訳にはいかない。
仮設住宅や貸家、アパートへの入居が進むに従って家具などの需要が増す。
震災後の4月中頃から特需が起きていて、リサイクルショップも恩恵に預かっている。

被災状況が様々あるように復旧段階にも千差万別のようだ。
初めの頃は直ぐに使う物、冷蔵庫や洗濯機など白物家電が売れまくっていた。
次に小型家具などが売れるようになっていった。

その後は大型家具もボチボチ売れていたし、最近はじっくり吟味して決める感じがある。
中年の夫婦と息子の三人で入って来た。
一直線に家具売り場に向かうと、在庫数が少なめの食器棚を見定めていた。

バッタン、バッタン、ガラガラと扉や引き出しを何度も開け閉めしている音がする。
「ちょっと来て下さい、相談があるんだが・・・」と旦那が俺を呼ぶ。
「これ綺麗だし買おうかどうか迷ってるんだが、値引きどれくらいしてくれる?」

「申し訳ないけど、値引きは出来かねますよ、物はイイでしょ、新品に近いよ」
俺が説明してると、奥さんが「せっかく遠くから来たんだからさ、まけてちょうだいよ」と割り込んできた。
「被災したんで、水に濡れて捨てたし、やっとリフォームが終わったんで・・」

床上浸水でリフォームを済ませて、家具を買うのだが、予算を抑えたい。
だからリサイクルショップで探しているということだった。
「石巻から息子に連れられてわざわざ来たんだよ、だから値引きしてくれよ」

「今朝からあっちこっち何件も見て歩いてるのよ、向かいの店からチラッとここの看板が見えたんで」
道路真向かいにライバル店が出店してた。
そっちはバイパス沿いで目立つが、俺の方は道路から少し凹んでいる。

それにこの地区はリサイクルショップのメッカの如く、大小10店くらいはある。
息子は大型トラックの運転手だから仙台の事情にも明るい。
親は石巻では気に入った物が見つからず、息子が案内をしてきたようだ。

「別な店でさ仮に決めてきたんだが、少し値引きしてくれればこっちで買いたいがなぁ」
1ヶ月前にも同じ理由で買った人がいた。
これからは冠水地域の人のリフォーム後の需要が増えてくるのかも知れない。