リサイクル親父の日記

第385話 そんなに集めてどうするのって・・・

2011/09/19

ある物のコレクターが数年前から定期的に来てます。
それを店ではレジ付近の棚に並べて販売してる。
俺はそれを万人が買う物でもないので、一定期間陳列して売れなくなったら骨董のセリで処分する。

日常の買取でドカッと手に入ったりもする。
東北地方の温泉場の民芸品、こけしである。
少し興味のある人は温泉巡りのお土産や記念に買ってくるようだ。

好きな人が買い集めたこけしも、ご本人が無くなると、家族は処分する場合が圧倒的に多い。
遺品整理的な片付けは、こけしが主体ではなくて諸々の品であり、付随としてこけしもあるという具合。
高さが1mにもなると圧巻だが、大概は10cmから数十センチ程度である。

温泉場毎に特徴があり、作家毎にも特徴があるから、見る人が見れば即分かるのだ。
1回で20~30本は軽く出るし、ちょっと多いと50~60本にもなる。
そんな買取も数件連続する場合もあり、在庫に手を焼く(?)場合もあるかな・・・

店の展示は20~30本に留めている。
コレクターが数人は来店するが、1月あればかれらは必ず来てくる。
ある人は週に2回は来たりもするし、他の一般のお客さんや遠方のお客さんも稀に買うこともある。

買取したばかりで未だ展示してない時には、「裏の倉庫にありますが・・」と案内をする。
初出しは特に売れ行きが良くて、気にった物があれば10本くらいはまとめ買いをする。
そんな彼らはそれぞれが毎日日曜日であり、あっちこっち探索するために持て余してる暇を有効に使っている。

ある日、俺は冷えた麦茶を勧めてダベッた。
「地震でこけし大丈夫でしたか?」
「ダメだよ、全部倒れたし、たくさん傷が付いたよ」とアッケラカンに答えた。

更に「・・知合いに、そんなに集めて、死んだらゴミだろうって言われるけど・・でも、しょうがないよ好きだし・・
この歳になっても、明日は何処そこへと思うと楽しくてよ、生きがいかも知れんしな・・」
「ところで何本くらい持ってるんですか?」

「う~ん、数えてないが・・2千本以上はあるな、もう3千本かも知れんなぁ~~」
相好を崩した。
それは正に至福の時のようである。