リサイクル親父の日記

第387話 そこまでやったのか?呆れてしまうよ!

2011/09/21

俺の仙台の店から東に向かうと海岸に出る。
中間に三陸自動車道が走っていて、津波はそこを超えたいたが店には達しなかった。
お客さんは沿岸部の人も多くて、多分相当数のお亡くなりなった方がいる。

常連さんは震災が落ち着いた5月、6月頃から徐々に来店している。
避難所から仮設住宅に移った方や遠くに引越した方もいる。
思い出してかどうかは分からないが、再開できて無事を喜べるのは嬉しい限りである。

しかし、中には全く来なくなってしまった常連さんもいるし、訃報を知った常連さんもいる。
そんな沿岸部の一つ、亘理町のお客さんが来た。
店内を見て回っていたが、真鍮の火箸を手に取ってレジに来た。

「おか炉(長火鉢のこと)はあるんだが、これが無いと使えないし・・・」
火箸や火鉢、灰ならしに五徳が骨董品とは言えないが、店ではこの類の小物も在庫している。
小物は金額もさほどもないから、気に入れば即決する。

「津波の後さ、泥棒に入られてよ、みんな持って行かれたんだ!」
亘理町の海岸部から離れてたが相当な被害で、それでも家は助かった。
避難所生活後に家に戻ってみると、かなり荒らされていた。

「電動工具に道具も・・倉庫の奥の部屋にしまいこんでたんが、それでも盗まれたよ、酷いもんだ」
彼は悔しさを堪えるように言う。
俺は慰めの言葉も出ないし、唯聞くしかない。

昔から、火事場泥棒というように、他人に不幸に乗じて悪いことをする輩がいるものだ。
たくさんの人から様々な話を聞いている。
避難所で一緒に生活したら、人間性が丸出しになって人間不信になったとか。

人々の善意や日本人の善良さもあったが、その裏の悪劣さも体験してしまったようだ。
美醜が混在同居しているのが人間であろうか?
貧すれば鈍するってことか、悪い奴はいつでも悪いし、呆れるばかりだ。

仮設住宅のエアコン室外機を盗む奴が逮捕されたニュースを聞いた。
中に銅が使われているから、スクラップとしてソコソコの値段で売りさばけるのだ。
1回に数台で1万円くらいにはなるから簡単に金になる。

情けない呆れたことだが、犯人が被災者だったら更に悲しい。