リサイクル親父の日記

第396話 もう少し前に・・でも、切羽詰まって・・・

2011/09/30

リサイクルショップは問屋がある訳じゃないし、一般買取が主体。
特に俺の場合は一般買取を重要視している。
だが店の近くには大型チェーン店やメジャーな店などライバル店が多数ある。

宣伝広告を始め、かれらロードサイド店は大看板も目立つし、俺の店は埋れてしまっている状況。
だから買取依頼があれば1点からでも対応するとかして補っている。
買取条件を店の都合に合わせてもらうとかはできる訳が無い。

折角の買取をできるだけ大切にして仕入れを幾らかでも増やすという戦略である。
後塵を踏むが俺の店であり、大型店で断られた話を吸い上げるのがせめてもの対抗手段かもしれない。
「電化製品は5年以上でも構いませんか?」とか「2~3点でも出張してもらえますか?」

そんな明らかに何処かで断られた理由を最初に問うお客さんもいるのだ。
売り物にならい物は俺とて断るが、売れるものであれば断ることはしないのが弱者の戦いでもある。
そんな状態で仕入れていると低級品ばかりが増えるから、雑な中古屋然と化してしまう。

それでも集めるのが最優先であるという事実は変わらない。
カレンダーの予定が埋まってないと不安が募るから、どんどん予定を取りこむ。
月末は案外予定が入るので、月半ばになると満杯に近くなったりする。

他に配達も入るから若干の余裕は持っているけど、そうして月末を迎えるのだ。
ところが月末の買取依頼の電話は切羽詰まったものが圧倒的に多い。
今日来てもらえるか? 明日まで部屋を出るので・・とか、しかし、俺は対応できかねる。

依頼の中には、買取品が素晴らしい物も多々あるので勿体無いのもある。
「今月は一杯で・・来月初めでしたら・・」と促すが、時遅しで諦めざるを得ない。
これのパターンは毎月末の恒例でもある。

しかし予定を空けておいて月末を迎える勇気は俺には無い。
小売という商売は、「小さく」「売る」、要するに毎日が戦いに近い心境である。
明日のことよりも今日のことを最優先して考えてしまう癖が付いた。