リサイクル親父の日記

第407話 エクセルが計算間違いかよ~~

2011/10/12

リサイクルショップの買取依頼があって見積書提出を要求される場合がある。
個人の方はそんなことは無く、話での交渉で即決が殆どだ。
相手が組織っていうか会社の場合は要求されることもある。

俺はパソコンの中に見積書フォームを準備してある。
エクセルだから計算式を組み込んであるし、縦横の計算くらいだから俺にもできる。
日付、宛先、項目、数量、単価、金額程度を書き変えれば見積書は完成する。

同じ会社から長年の買取なんてまず無いから、大抵は1回限りの提出で取引は終わる。
データーとして保存する必要は感じないから、その都度の上書き作成で済ませている。
ある大手の不動産会社からの依頼であった。

テナントが退去した後の事務機類、25坪だからロッカー、応接セット、机、冷蔵庫などがそこそこの数量であった。
品物種類で15種、総点数で50点だろうか、2tトラックで2台分と見た。
査定が出る物、査定が出ない物、ゴミ代がかかる物の3種類に大別できた。

「1品ずつの単価でお願いします」
若い営業マンは爬虫類の様な冷たい目で言った。
最近は少しまとまった買取品だと数社から見積を取って検討するのが増えている。

会社の決済が必要だというのは理解できるし、その対応をするのも俺らの仕事の一部でもあろう。
店に戻ってメモを見ながらエクセルを開いて記入、計算していた。
珍しく店にはお客さんが多くて、常連さんも来てて、俺はエクセルに集中できない。

二三行打ち込むとお客さんの相手をして、又打ち込むのだが、見積とお客さんを交互に考えないといけない。
レジの横の机にパソコンを置いているから、レジも買取も接客も見積も一度にできるということだ。
しかし俺が三役も四役も同時にこなせないのは明らかであり、ミスも多々あるのが現実だ。

それでも事務室を別に設けるほど余裕はないし、無駄だと考えてもいる。
サッカー的にはポリバレントって役割であり、多能工的役割が一番効率がイイと考えている。
そうこうしていて1時間もあれば完成するものが、何と3~4時間後にしか終わらないのだった。

約束の提出時間が迫っていたので慌ててファックスした。
「見積受け取りました、この金額で買取してもらえますね、決済取りますから」
「えぇ、見積金額でやらせてもらいますよ、勿論」俺の力を入れて答えた。

電話を切った後に見積書を見直して、ハッと気付いた。
大項目を3つに分けて其々に小計を出して、その集計を合計にしていた。
最後の項目はゴミ処分代金である、これはマイナス金額を計上しないとならない。

あぁ~俺はゴミを買う計算をしてしまっていた。