リサイクル親父の日記

第408話 拘り過ぎ? とっても査定は出せませんよ

2011/10/13

仙台市中心街の賃貸マンションの一室だった。
最新型なのでオートロックではあるが、エレベーターの位置が少し変わっていた。
玄関ガラス戸を抜けて入ったが見当たらない、ウロウロ見渡したが見つからない。

覗き見すると各室の通路に出る扉があった。
そして通路に出ると一直線の右側に部屋並んでいる。
通路中間部に通路を挟んだ外側に非常階段があったから、きっとそこにエレベーターもあるだろうと想像した。

敷地の間口が狭いから建物は奥に長く建てるしかないのだろうが、だから配置もそうせざるを得ない。
3階でエレベーターを降りたら彼女の部屋の真ん前だ。
ドアーが開いたら、狭い玄関に女物の靴だらけである。

俺は自分の靴を何処に脱げばいいのかと思案しつつ、数足を廊下に移して場所を確保した。
狭い廊下を数歩進むと窓際に折り畳みベッドがあって、入口側半分に家財道具がある。
1人掛けのソファーが壁に沿っている、反対の壁には小振りのドレッサーと三段チェスト。

「ソファーとオットマンはヨーロッパのブランドで・・・チェストに丸テーブル、こっちも高かったの・・」
モスグリーンのソファーはゆったりしてて、1人用にしては大型で皮張りである。
「それじゃ高かったんですか?」

「そうねぇ、20万円弱だったかしら、店で見た時と色がね、気に入らないの・・・」
俺はソファーの販売価格としては1万円前後がイイとこだと感じた。
「状態も悪くないし手放すのは考え直した方が・・・俺としては安くしか買取できないし・・」

「チェストやテーブルは安くてもイイけど、ソファーは5万円くらいは欲しいわ」
「それは無理ですよ、ソファーは諦めますから他の物だけ買取しますよ」
あんまり大きな差の場合にはアッサリと引き下がることにしている。

玄関の靴が凝った物だったと分かったが、洋服や小物もかなり凝った物を持っている。
「色々イイ物を持っていいるようなので、又不用品があったら呼んでください」
「えぇ、わたし、気に入った物を買うのが癖で・・拘っちゃうのよ、何でも」

今は自分の部屋着で化粧っ気もない。
化粧をしてブランド品を身にまとえばビシッと決まると思えた。
できれば貧弱な折り畳みベッドは止めた方がイイよなと思うが・・・