リサイクル親父の日記

第409話 みんな変な奴ばっかですよ、ボクも変だけど・・・

2011/10/14

仙台市青葉区川内大工町という場所は宮城県美術館近くで広瀬川に突き出している所。
想像だが、伊達正宗が青葉城を築城して城下町ができたことによるであろう。
名前の通り大工さんたちが住んだ地区でしょう、他には南鍛治町なんてのもあるし。

美術館に向かう大きな橋を渡って直ぐに180度折りかえす感じで、尚且つ下り坂を降りるのだ。
その先はアパートや民家が林立してて例の如く道路は狭い。
だからトラックは使わずに乗用車で行くことにしている。

冷蔵庫と洗濯機2台の買取だから問題は無い。
電話では中年女性かも知れないと思えたが、最後になってもしかして男だったかと感じた。
声の質や話し方は落ち着いていたし、しかし、最後には若者の口調であった。

ガランとした部屋で彼は待っていた。
何とも小柄である、身長は150cm代で天然パーマでモジャモジャしてて猫背なのだ。
「寮に移るんで、冷蔵庫も洗濯機も共同ですが備わってて・・」

「もう荷物は運んだようだけど、何処に引越すの?」
「上杉の寮ですよ」
その場所の寮ということは東北大学の寮ではないだろうか?

俺は彼と二人で2階から冷蔵と洗濯機を運び出した。
俺は慣れているけど、どうやら彼は荷物運びなんてサッパリやったことが無いようだ。
二人で共同で作業をすると経験があるかどうかが一瞬で分かる。

ぎこちなくて不慣れで力加減が分からず、その上に持つ場所がなってない。
階段を降りるときには細心の注意を促さないと危険である。
「階段ですよ、足元を良く見てください、降りるときは一段ずつ、ゆっくりでイイですよ・・・」

最初は全く不慣れなのに、2度目は要領を掴んでいたから、彼は飲み込みが非常に素晴らしい。
「何の勉強してるの?」 
「ボクですか、農学部ですが数学をやってますよ、仙人みたいなもので、何所までも高い山を登っているって言うか・・・」

俺には彼の例え話が理解できかねる。
「数学ねぇ~頭良いんだね」
「ボクもそうだけど・・みんな変な奴ばっかりですよ」

数学を研究することがどうして変なのかやっぱり理解できかねた。
「・・??・・頑張ってね」