リサイクル親父の日記

第413話 何処までも頑張るって凄いね

2011/10/18

今年の初め、震災前だから憶えている。
仙台市若林区沖野のミニ新興住宅地の2階建て1軒家に買取に行った。
築10年弱の家が10戸ほど建っていた。

彼は60歳代に見える、小太りで頭が薄くなっているが愛想は悪くない。
「今度事務所を縮小するんで事務機が余るから・・・買取できないの?」
内容を聞くと、ソコソコ古くて俺の気持ちが動かない。

「まぁ、来てくれよ、それで良ければさ引き取ってよ、引越しも迫ってるから」
少し強引気味の誘いにのったが、自宅兼用の事務所だとは想像してなかった。
玄関近くの6畳間に事務机や書類棚などが隙間無く置かれてた。

その他に居間の半分くらいにもホワイトボードやミーティングテーブルがある。
更に駐車場奥のスチール倉庫にロッカーや椅子などが積み込まれてた。
「前には人もたくさんいて、事務所も別にあったが・・2年前に縮小して、自宅で・・・
それがさ、今度は家も売ることにして、事務所は別に縮小して移るんで・・・」

今回お呼びがかかったのが、その移転先でアパートの2階の部屋だった。
机2台と椅子に電話器程度しかない。
「1人が抜けてさ・・マンションで1人でやることにしたんだ」

取扱品は様々あったようで、雑食気味に何でも商材にしたようだ。
景気がイイ時は相当な人数を抱えたし、新築一軒家も手に入れていた。
10年くらい前から景気が悪くなって、撤退に次ぐ撤退を繰り返してた。

俺が彼に会うのは、買取現場と俺の店、だから数回ぐらいしかない。
察するに奥さんはとうの昔に去っている感じだ。
独立して商売に打ち込んで成功して、そして失敗する。

俺もそんな時があったし、失敗の連続だったと思っている。
でもいつも諦めなかった、そして商売への取り組み方や考え方を修正していった。
儲けだけを考えなくなった時、何かが変わって少し上手くいくようになったっけ・・・

現実は儲けを追い続けるが、儲けは逃げていくばかり。
儲けじゃないこと、やりがいや面白味を求めた方が上手くいくのかも知れない。
時々商売に失敗した人に会うことがある。

俺はもう1人の自分を見る思いがする。
そんな時は自戒をしている、明日は我が身かも知れない。
奢るな、自惚れるな、傲慢になるな、浪費するな、節約に倹約、・・・