リサイクル親父の日記

第414話 2勝2敗か、1勝1分け2敗か・・・

2011/10/19

リサイクルショップだから勝ち負けってことはない。
買取が上手くいったら勝ち、不調だったら負けって置き換えただけ。
やはり土日祭日の早朝は車が少なくて、街中でも爽快に走れる。

1件目は仙台駅直ぐ近くの賃貸マンションの若い男で、一見するとチャラ男だ。
「10万円で買ったモクゾウの長さ2メートルの机」と言っていた。
組立家具でPC机、カッティングシート張りで1.2mのチャッチイ低級品だった。

「どれですか? これですって!! ここカッティングシート剥がれてますよ!」
「大きくて邪魔なんでタダでイイっすから、持って行ってくれませんか?」
嘘も冗談も過ぎるから、俺は無言で部屋を出たんだ。

2件目は泉区の新興住宅街、4号線から右折して岡を登る。
10~15年前に開発されたから、1戸当たりの敷地も広めで歩道も広く街路樹が濃緑に茂っている。
白い外壁や白い階段、どれもが四角形を伺わせる最新の住宅だ。

居間の天井は高く吹き抜けも大きく取ってて気持がイイ、当然内装も全て白。
床も白のタイルを思わせる床材だが、温かみがあるからタイルではない。
新しい食器棚が不思議なことにメープルなのだ、違和感は免れない。

「新築祝いにいただきましたが、家に合わなくて・・・それで別の物を買おうと思って」
ズシリと重い2段重ねの食器棚はとっても良品だった。
3件目は青葉区の台原という住宅街のマンションの一室。

大きな通りの角に建っている、歩道に跨ぎながらトラックを止める。
エレベーターが無いので階段を登って部屋に着いてインターホンを押す。
3度押すが応答が無い、ノックをしても同様。

ケータイも留守電に切り替わるので、どうしようもないからその場を去った。
4件目は貝が森という場所なので、一度仙台の中心部に出て向かうことになった。
途中で大変な渋滞に巻き込まれて、それでも何とか迂回路を探しながら進んだ。

2階建ての古い家は手入れが行き届いていた。
白髪のおばさんは大人しくて上品で控え目である。
「冷蔵庫は7年前ですよ、食器棚は2年ほどかしら・・それに居間の15年前の古い本棚もあります・・」

案内に従って俺は家の中を歩くと、ピアノが2台あることに気付いた。
「ピアノの先生なんですか?」恐る恐る聞いた。
「えぇ、ピアノは持ってまいりますよ、是非先程の物はお願いいたしますわ」

俺は月末に予定日を決めて辞去したんだが、これは引き分けかも知れない。
買取を済ませれば、勝ちということだ。
ケータイが鳴った、「電話もらいましたか? 着信があったのので・・」

「買取に行きましたがお留守でしたよ」と3件目の女性に言う。
「あっ・・すいません」と言ったと思ったら、ブチッてケータイを切ってきた。
意味不明、大変失礼な依頼者(?)、時々出くわすが大きな迷惑だ。