リサイクル親父の日記

第418話 こりゃぁ無理ですよ、いくらリサイクルでも・・・

2011/10/23

買取は大歓迎なのだが、何でもイイって訳にはいかない。
店としては売れる物をできるだけ多く買取したいと望んでいるが、売れない物は受け付けることはできない。
時々店に来て買取相談をする方がいる。

40歳くらいの彼は坊主頭に口から顎にかけて髭を生やしている。
「ギフトがたくさん余っているんですが・・・それに靴もいっぱいあるんです」
おもむろにケータイを取り出して操作をしだした。

大きい段ボールに無造作に詰められた箱入りの品々、その上側が映っている。
画面を切り替えると、大きな段ボールが7~8個床に並んでいる。
「こっちは靴で全部新品ですよ、どうですか?買取できませんか?」

「一体どうしたんですか? 結構な量ですよね」
「バザーで残ってしまって・・処分にも困ってしまって・・近くの小学校に、3階に置いてありまして」
ご存じのように各家庭から提供された物をバザーで販売するのだが、売れ残りはどうしてもでる。

それが少量であれば始末も簡単だが、大量に出れば厄介である。
俺もこれまでに何回かバザー残り品を扱った経験があるが、銭金でなくて商売にはならない。
バザーは特価販売であるにもかかわらず売れ残る。

本当にイラナイ物だけが売れ残る、誰も欲しがらない物がほとんどなのだ。
「見に行くのは構いませんよ、それで考えてみますよ」 
無下に断れないし、新品の靴に魅かれたこともある。

3階の教室の片隅で婦人が二人、バザーの集計をしている様子だ。
その先の窓際に残り品が段ボール4~5箱に詰められているが、映像で見た物と同じ。
かれら3人は品物を取り出して1品ずつ開けようとした。


俺はそれを制した「中身は分かりますから・・・租品やガラスの皿は無理ですから・・靴はどちらに」
3人はガッカリしたが、彼は気を取り直す「靴は、別な場所に」と先導した。
段ボール箱に箱入りの靴が詰まっていた。

取り出して開けると、サンダルが現れる、どの段ボール箱にも同じサンダルが・・・
ラインが赤色や白、黄色とあるが、全部がサンダルで新古でくすんで退色してる。
「全部で500足はありますね、バザーでは売れましたか?」と聞いた。

彼は俯き加減に言葉を濁した。
「こりゃぁ~~無理ですよ、リサイクルでも・・どうしようも有りませんねぇ~」
小学校に何十年振りに入ったが、夕方の下校時間で子供達の嬌声がちょっとうるさかった。