2011/10/24
リサイクルショップの買取で様々の生活場所に行く。
一戸建て、マンション、アパート、社宅や寮、仙台は都会でもあり新しいのから古いものと・・・
豪邸もあるし超立派なビルもある、反対に朽ち果てそうな借家もあるから、面白いっちゃ面白い。
現役の頃は通信機関係に勤めてたおっさんは、もう10年以上経つ常連さんだ。
オーディオやテレビなどに興味深々で、最新物に目が無い。
気に入ればポンと買うけど、如何せん口が悪い。
「相棒」の課長の口癖「おい、暇か?」ではないが、いつも「暇だな」と言っているのだ。
他のお客さんが居ても構わなくて、「何にも入って無いな・・」とボヤク始末。
可愛いところもあって、お菓子やパンを土産に持って来ることもある。
大震災の後に互いの無事を確認できて喜びあった。
昨日来た時に普段とは違う凄く暗い顔をしていた。
「住んでる家、市営住宅を出なきゃいけないんだよ、地震で傾いているらしくってよ・・・」
「えっ、今頃分かったの? 仮設住宅に行くの?」
「それはこれからだがよ、近い内に説明があるらしいんだ、荷物がいっぱいあってな」
おっさんの市営住宅は古いけど、部屋数もあるから、それに1人暮らしで多趣味だから・・・
釣りもするし、キャンプにも行くし、プールや自炊温泉にも行っている。
「おっかぁは随分前に出て行ったし、1人で気楽で気ままな生活よ」と随分前に聞いたことがあった。
年金暮らしで家賃は安い、毎日あっちこっちに出歩いている。
ワゴン車にはナビにレーダー、カーコンポ、ウーハ―が占拠してて、後部荷台にも様々な道具や器具が積まれている。
そんな案配だから部屋にも物が溢れているのは想像できる。
「どっこに暫く預けることができれば良いんだがな・・・どうなるんだか・・」
普段は大きな声で悪口三昧なおっさんが萎れて元気のない口調だ。
「・・でもさ、何とかなるでしょうから・・ガッカリしないで、元気出して」
俺はいつもは反発して憎まれ口で返すのだが、今回は同情せざるを得ない。
丁々発止の俺たちの関係は実のところ似た者同士であり、おっさんの心境も分かるのだ。
「随分暇だな」と元気に言う姿を一日も早く見たいなぁ・・・