リサイクル親父の日記

第431話 ロッキングチェアーは置いてないよね?

2011/11/06

店の近くに住んでる大工さんがいて、10年来の常連さんである。
地元で長く大工仕事他にも設備関係も営んでいる。
だから何でも工事屋さんであり、隣近所に住む人たちがお客さんのようだ。

彼は俺のリサイクルショップもよく利用してくれている。
電動工具や道具は自分の仕事用に買う。
その他には、お客さんから依頼された工事のために流し台や設備器具も買っている。

先日は、居酒屋の改装工事を受けて、和風照明器具を6個買っていた。
数年前にやはり居酒屋を廃業したところから買取品だったので、一般家庭向きではなく暫く在庫としてあった物だ。
或は、新古サッシ窓が6~7点だったこともある、これもサッシ屋さんから買取品だった。

取り付け工事を伴う物は一般には売れ難いが、工事屋さんは安く買えば工事全体を安くできるからメリットが大きい。
リサイクルショップはあらゆる物の買取依頼が舞い込んでくる。
しかし何でも買取できるという訳でもなくて、ギリギリで引き取りして失敗したこともある。

混合水栓、陶器手洗い器、業務用換気扇、などちょっと特殊で古い型の物は相当失敗している。
上手く行ったり失敗したりはしょうがないけど、俺も経験豊富になっている。
以前より簡単には置かないし、新古を見極めたり、ニーズを把握したりしつつ熟慮している。

彼に向くかも知れないと頭をよぎる場合もあるが、そこはシビアに判断すべく努めている。
彼は探し物があった時は電話をしてきたりもする。
「無いと思うけどさ・・ロッキングチェアー・・なんて、置いてる?・・頼まれて・・それで聞くだけ聞こうかと・・」

俺の店は広くはない、狭くもないけど、商品が物凄く大量にはない。
普通のリサイクルショップよりは整然としてるから、一見は物が少なく感じるようだ。
通路の広さを安全を重視して広めにしているし、棚にもゆったり目にしか陳列してない。

これは幾ら山のように積んで並べても売れない物は売れない。
如何にお客さんの目の付く場所に並べるかという方が大切ではなかろうかと思う。
値段もさることだが、置く場所を変えて売れたなんて現象はしょっちゅうある。

「ありますよ、レトロな木製のしっかりたものですよ」
「ホントかよ!? 分かった、お客さんを連れて行く、直ぐに行くから」
10分もしない内に彼は美容師のおばちゃんを連れて来た。