リサイクル親父の日記

第459話 また家電を買います

2011/12/04

30代中くらいの男性がニコニコと話しかけている。
「おんちゃん、配達してくれるよね?」
「勿論するけど、配達代かかるよ、何所までですか?」

「太白区東中田3丁目の・・・前にね、運んでもらったことあるんだ、憶えてるよね?」
そう言われても思い出せないのが普通である。
でも、再度俺の店で買おうと考えたのだから嬉しい話である。

「冷蔵庫、洗濯機、レンジ、掃除機、電気ポットをください、コタツも買いたいけど無いの?」
5点まとめ買いに嬉しさが倍増してしまう。
「ごめん、コタツ売り切れです、配達はいつにしますか?」

「来週の木曜日にしてください、コタツは今必要なので他で買いますよ」
そして配達当日そのアパートに着いて、僅かに記憶が蘇ったのだ。
数年前に確かに来たことがあった、それも家電や家具一式の配達だった。
 
愛嬌のある彼が部屋から出てきて迎える。
「ねぇ、思い出したでしょ?」
「うん、どうして、また家電を買うの、前のがあるでしょ?」

ところが部屋に入って分かったのだが、部屋は何もなくてガラ~ンとしている。
「奥さんがみな持って行ってしまったんです、だから・・・」
「持って行ったって、どうして???」

「実は離婚したんですけど、おれ実家に戻ってて帰ってきたら・・何もなくて・・」
「ど、どうして???」
俺には彼の事情が分からなかったから、質問攻めにした。

前回はこのアパートでスタートするので買い揃えた。
数ヶ月間に奥さんから突然、「お金が無い」と言われた。
貯金もあったのに、それもこれもお金が全く無くなっていた。

彼は奥さんに、貯金が無くなった理由、使い道を聞く。
しかし、奥さんは使い道は頑として言わない。
そんなことが起きてから夫婦関係はおかしくなる。

その結果、彼は実家に戻っていたが、その間に奥さんは全部持って出てしまう。
・・・・
俺以上に理解できなくて苦しんだろう彼だが、人柄と愛想がイイのが哀れでもある。