リサイクル親父の日記

第463話 中年おやじ同士で見る楽しさよ

2011/12/08

1週間前の買取に行った時にいろいろ仕入れてきた。
例えば、品物が多い場合には一旦倉庫に入れる。
店の欠品や置きたい物があれば、速やかに掃除をして並べる。

在庫が多かったり、手入れが面倒そうな物を後回しするのが常。
それは暇をみて、或は、気が向いたら手入れをしたり、調べたりして並べる。
現場ではこと細かに検品できるとは限らない。

経験にもよるが、一見して判別すると分かるし、物によっては入念に検品するが時間はかけない。
じっくり検品する物は、高額な買取の場合や希少品的な骨董品くらいだろう。
如何に早く見極められるかがポイントで、搬出に手間がかかるということを念頭に入れている。

だから物の種類が多いと一品にかける時間は反比例して短くなる。
バッサ、バッサと次から次にページをめくる如くに検品するのが俺の癖。 
過日の買取でポスターが丸まって3~4束あって、1~2枚を広げたら広告と列車だった。

状態は悪くないしと思って引き取ってきて、店ではバックヤードに置いた。
これは暇な時に検品する類だからと気にしなかった。
ある日、油絵や掛軸を好む常連さんがやって来た。

数日から1~2週間間隔で来てくれるし、気に入れば金額は問わない。
値段交渉も紳士的で嫌みが無い、それに詳しいから解説を聞くのも勉強になる。
最近何度もカラ振りが続いてたから、俺は店として少し責任を感じてる。

買う意思があるのに買う物が無い、それが数週間になっている。
そこでポスターを思い出した、それは彼には時代が若過ぎて向かないとは思っている。
「XXXさん、よかったらポスターでも見ませんか?そんなに古くはないんですが・・」

俺が1枚ずつカウンターに広げると、彼は下側を持ってくれる。
「お~ぉ、懐かしいなぁ~、この映画見たよ」うめき声になってしまった。
「こっちも、見たよ」互いに感想が出る。

そこに、又、別の常連さんで年上の男性がやって来た。
広がるポスターを目にして同じ感想が漏れる。
エリザベス・テーラー、ソフィア・ローレン、などが光り輝いて写っている。

中年おやじ達の青春時代が蘇っていた。
5~60本の懐かしの映画との邂逅は心が喜びで溢れた気がする。
二人の好きな物、探し物、買う物ではないけれど、時間の共有を楽しんでもらえたかも・・・
モンローのポスターもあったよ!