リサイクル親父の日記

第466話 頑張ってディスプレーするんですが・・・

2011/12/11

リサイクルショップだから色んな種類の物が商品棚に陳列されている。
季節毎にディスプレーを替えたりするが、俺の店はかなり大雑把でもある。
新品の小売店に比べれば、あるかないか分からない程度のディスプレーの交換だと考えている。

11月にクリスマス商品を同じ棚にまとめるとか。
12月になれば正月飾りという訳でもないが、それなりにきらびやかな正月に似合いそうな品をメインに陳列する。
近所の商店街を見れば「大売り出し」のノボリが通りに沿って並んでいる。

その組合に入らずに全くの単独営業だから、近所の商店街の動向も分からいのが実情。
昔から何かしらの組合、或は団体というものに懐疑を持っているので気にはしていない。
何かに拘束される苦痛は俺には耐えがたくもあり、単独で苦難に向かうという孤立無援を志向している。

3.11の後に同じ敷地のテナントさんたち数人が、大家さんに家賃延滞の申し入れをするので参加しないかと誘ってきた。
俺は即座に断ったのだが、かれらは一応に俺のことを変な奴だと思ったらしい。
俺は被災者であるが、かれらも被災者、しかし、大家さんも被災者ではないだろうか?

自分たちが困った時に傷のなめ合いの様な協力(本当は共謀かしら?)をするなんて卑怯に思えた。
大家さんに泣きつくとしても、それは単独で個々人が状況を説明するべきものだと考えた訳。
俺流はローンウルフ的でもあるし、だから四苦八苦もしているかも知れない。

話が逸れたので軌道修正をっと。
レジの売りの棚の上に、先日買取した朱漆塗りの変形お盆に可愛らしい金太郎の人形、背景に扇を飾ってみた。
いつもは絵や額をかける壁なのだが、凄くイメージチェンジして新鮮だったので俺も気に入った。

午前中に郵便局に来たついでに寄ってくれた常連さんが、それを見てギョッと驚くのが楽しい。
「そ、それはどうなってるの?」と変な質問をする。
「根来塗の御膳ですよ、朱の色に特徴があるんですよ・・・」

数日前にも来てたが、それでもいつものように店内を物色して歩き回る。
流石に店内の様子に詳しいだけあって、2~3日前からの鮮度の高い品々を発見するのだ。
「これは何?」「綺麗な花瓶だね」「これも古いね」などと感想を言っていた。

・・・
そして、彼は「それ買うよ、ちょうだい」とディスプレーしたばかりの物を指した。
すっぽりと空いた壁を眺めて、今度はどんな風にディスプレーしようかな・・・
その時、来年の干支を思い出して・・・唐金の古風な龍の置き物2体を・・・