リサイクル親父の日記

第474話 灯台もと暗し、それは俺のことだったょ~~~

2011/12/20

「車に積みましょうか?」とお客さんに確認する。
「うん、頼むわ」と彼女は返事をするが、いつも少し威張っている感じを受ける。
金持ち的な雰囲気がムンムンしてるが、人間的には嫌みもなくアッサリしている。

毎年ハワイの別荘に2週間のバケーションに行ってるとか、日本国内をあちこち旅行するとか・・・
旦那さんも彼女も高級外車を当たり前の様に乗っていてるし、特別丁寧に扱う訳ではない。
以前には小型家具を買うと、無造作に革張りの後部座席に放り込んで帰ったこともある。

「このあいだね、シートにキズできちゃったの・・だから、トランクに積むわ」
グワ~ンと開いたら、リンゴが数個見える。
リンゴをかわして俺は小さい家具を積む。

「ハイ、これあげるよ、美味いはずよ」とポ~ンと手渡してくれる。
午後になって小腹がすいてリンゴを思い出した。
色も形も良かったので美味そうだとは感じていたが・・・

適度な蜜が入っているし、酸味と甘みと瑞々しさが物凄くバランスが良くて、感激してしまった。
リンゴの中のリンゴ、リンゴの女王、どんな表現でも言い表せない、俺の人生で最高のリンゴだった。
「このリンゴすっごく美味い、そう言えば、ミカンはやっぱりマルケンだよね、あのミカンは美味いよね」

俺は例年暮れから正月に我が家で食べるミカンの名前を口にする。 
特に気にして憶えてる名前ではないのだが、自然に家族も知合いもミカンでは口にしている。
でも、どうもマルケンのミカンは値が張ってて、我が家では特別にしか買わないようなのだ。

ところが周りにいた人がその話にのってこないし、ポカ~ンとしてしまう。
「えっ、ミカンでしょ、マルケンって何?石巻産のミカン??」
とか「そんな名前のミカンなんて知らないわよ」ってな調子なのだ。

果物のブランドは、夕張メロン、山形のサクランボくらいしか思い当たらない。
ミカンは暖かい地方で栽培されるが、産地は良く区別できない。
でも、俺の記憶にはマルケンのミカンとしてしっかり記憶されているのだ。

石巻の人がマルケンを知ってるのは常識である。
しかし、仙台の人はそれを知らない・・・これはどんな訳???
店に来るお客さんにも訊ねてみるが、ほとんどが知らないのだ。

稀に、石巻の知合いから名前は聞いたことがあるとか、石巻に行った時に食べたことがあるって人がいたけど・・・
マルケンのミカンに共通している事実は、石巻という言葉だけだ。
これは摩訶不思議ィ~~~ケンミンショーに出してたいくらいの話題だね。