リサイクル親父の日記

第477話 気の重い再建は悩みも・・・

2011/12/23

俺の店は仙台の南外れで国道4号線バイパス沿い。
大震災では津波は来てないが、車でちょっと行くと三陸自動車道があって、そこを超えて押し寄せていた。
だから沿岸部のお客さんもかなりいるのだ。

商売をやってる人たちは、被害の程度によって再建に時間差もある。
俺の店は破損品の片付けが済んで再開できたが、それでも1ヶ月を要した。
今日来た人は寿司屋さんで、自宅兼店舗はすっかり流されてしまった。

彼の属する商店主組合はまとまって市に対して支援を働きかける。
しかし限りない支援はある筈もなく、市は仮設店舗を造って入居者を募るのが限界。
2年間程度の家賃は免除されるが、新たな場所での再開に不安も多い。

これは一概に喜べるかは疑問。
寿司屋は意外に設備投資に金がかかるから、それを自前で賄わなければならないのだ。
建物だけがあっても商売ができない、内装や什器、設備と大金が必要となる。

仮設店舗に参加を希望してた商店主の中には、計画が現実的になっても資金調達をできずに辞退する人もでている。
その仮設店舗がもう直ぐ完成する。
彼は考えに考えたし、悩みに悩んだ。

年齢のこともあるが、働き口を探しても見つからない。
清水の舞台から飛び降りる覚悟でやることを決心したらしい。
次に、費用を抑えるべく中古品探しにリサイクルショップを連日探し歩いている。

しかしリサイクル品も専門店で調べると、思うほど安くはないという現実。
特に震災後は品数が少ない状態と同時に高騰したと感じるそうだ。
俺も思うけど、リサイクルのセリでも需要と供給のバランスが崩れている。

又は、需要を反映して高騰したというのが正しい見方だとも思う。
俺も石巻の店が冠水してトラックが廃車、商品全滅、建物一部傷みを確認した時、呆然となった。
再建に必要な資金算出と同時に資金調達を最初に考えた。

数ヶ月の片付け期間と運転資金、などと難問が山積みだった。
被災地だからマーケットの消滅も考慮すると、再建後の軌道に乗るまでの期間を思うと気も遠くなった。
寿司屋さんの彼の心境は俺自身の経験でもあるから、痛いほど分かる。

それでも人は生きないといけないし、生きて何ぼかにしないといけない。