リサイクル親父の日記

第491話 薄暗い早朝からは大正解ですよ

2012/01/25

仙台市中心部の出張買取はいつも、とっても、大変なんだ。
駐車スペースの確保がほとんどの場合できない、稀にある場合はあるが奇跡に近い。
出勤時間帯から夜までは一般車と歩行者がひっきりなし、それに見回りの駐車監視員もいる。

路駐する場合でも建物付近の場合には、1人は車に残ってないといけない。
その人手を考えるとコストがかさむから、よほどイイ買取以外は敬遠せざるを得ない。
そんなケースでも俺は可能性を追求するので、早朝に引き取りをプレゼンする。

会社関係というかサラリーマン根性的な場合には全部却下、要するに成約できない。
お客さんが個人、又は自営業者、或は金にシビアな場合には、その条件を受け入れてくれる。
理由は簡単である、如何にコストをかけないかということを分かっていたり、かけれないかといことだ。

仙台駅にほど近い本町という場所で、且つ幹線道路沿いで交差点手前のビル。
これだけ条件が揃えば日中はやれないし、やるためには相当のコストがかさむのだった。
「場所が良すぎて日中は対応しかねます、早朝であれば可能ですが、いかがいたしましょうか?」

開店1年のリラクゼーションという分かったよな分からない仕事場の女性オーナーは、1日経ってから了解してくれた。
それは他所とも接触したが、コストを考えれば俺の提案が一番得することの証明でもある。
まっ暗い時間帯に店を出て、気温マイナス3~4°を路面凍結に注意しつつ向かう。

普段の半分の時間で着くと、道路のあちこちに業務用トラックが何台も止まっている。
運送屋さんや配送屋さんが飲食店や各商店に納品作業をしているようす。
しかし交通量が少ないから、何処の道路でも何の問題もないのである。

ハザードランプを点け、ゲートを下げ、台車を持って、ビルの12階に向かう。
彼女はおっとりした感じで向えてくれた。
お互いに早朝の苦労に対してねぎらい合ってから査定に入る。 

白木調家具と真っ白い家具は全てが組立式や華奢な物ばかりで、俺は軽いショックを覚える。
ヒーターにポット、ガステーブルは使用感も少なくて良品なのが救いである。
ビルとトラックの間の歩道は数メートル幅で昨夜の雪が少しあって、ガチンと凍っている。

歩道に人がいないのが良くて、転ばないように小幅に歩いて運ぶ。
それ以外の注意はすることもなくストレスなく作業はやれる。
2人組のおじさん達が数組現場に出かけるのだろうか、聞き慣れない言葉をかわしながら出勤してもいた。

そっか、このビルは賃貸でもあるらしい。
被災地に向かう作業員宿舎としても利用されているのだろう。
作業終了頃には空も白けてきているが、ヘッドライトは未だ必要だった。

帰途も楽ちんで店に7時に戻った頃、近くの定食屋に朝飯に向かう。
ここでも作業服姿の男たちが数人慌ただしく食っている。
車のナンバーは松本、名古屋など他県車が多くて、被災地特需の影響が見えるのだ。