リサイクル親父の日記

第492話 聞き違いっすか?

2012/01/26

約束の午後1時の15分前に着いた。
新しいセキスイのアパートが4棟建っている一画である。
棟の名称はXXXで更にA,B,C,Dと棟を示すアルファベットが付いている。

俺の目指してたのはB棟101号室、その部屋の前に行くと表札の名前が違うことに気づく。
もう引越し済みで冷蔵庫と洗濯機だけを売るために置いてある筈だ。
そして今まさに俺と待ち合わせたのだが、その部屋のベランダに洗濯ものがたっくさん干してある・・・

これはおかしいぞと俺でも思ったから、少し考えてみた。
きっと電話で聞き違えたのだろうが、するとBと間違うのはDではないだろうか?と推測した。
D棟101号室は人気もなく、ここだと確信した次第。

外は寒いから車で暖を取りながら待つっていると、ワゴン車で思しき男が到着した。
車を降りた彼に話しかけると間違いはなかった。
二人で部屋に入り、彼は入口近くの洗濯機を示してから、次にキッチンへと入る。

そこには3D冷蔵庫がド~ンと居座っている、他には何もないのは当然である。
「エッ、えっ~~~これですか!!??1D冷蔵庫じゃな~~かったの~~~」
「最初から言ってますが、これですよ」彼は普通に答えるのだ。

電話で確かめたのだが、その時は「1Dですかね?」と訊ねると、返事は「そうです」だったのだ。
今更言ってもしょうがないのだが、モノがイイ物になったのだから本来は喜ぶべきであろうが・・・
俺はライトバン型乗用車で出向いていたし、洗濯機と1D冷蔵庫は問題なく積める筈だったのだ。

買取がまとまればというよりも、彼は時間も暇もないしまとまるのだから、その後の運び方に俺は思考が飛んでいた。
方法は3通りある。
1台を積んでもう一度来る、最初に洗濯機か冷蔵庫かで2通り、トラックで出直すのが3番目の案。

冷蔵庫の積み込みは絶対二人でやらないとならいと考えれば、彼と冷蔵庫積むのが道理である。
しかし積めなければと思いつつも、俺はトライした。
途中で乗用車天井に引っ掛かるも何とか納めることができた。

間違いが2度重なって正解になったりもするが、2度の聞き違いか言い間違いに俺もショックだった。
耳だけじゃなくて声まで間違うのかってさ。
これから俺の人生では聞き間違いも言い間違いも確実に増えるんだろう。

その自覚を持って、ミスを素直に認る生き方をしないといけない。
反面、意見を譲らないという排他的なこともしばしばあるんで、尖がったり丸くなったりの晩年かも知れない。
丸い面もあり、強情な面もあり、両面の爺が俺の未来図らしい。