リサイクル親父の日記

第502話 それは~それは~見積に行ったけど・・・

2012/02/11

偶然って本当に不思議なことがあるし、面白かったり腹が立ったりケースバイケースではある。
仏滅の様な見積日と俺が感じる日かも知れない。
電話でも見積も1件もまとまらないし、出張見積もりも何とも変な感じになってしまったのだ。

開店早々に電話で2~3件見積依頼があった。
「売りたい家具あるんですが・・来て見てもらえます?」
「電話でも見積できますよ、どんな物があるんですか?」

「そうですか、ベットですが、10年くらい使って・・」
そこまで聞くと答えは簡単、「すいませんが、買取も引き取りもできませんね」
どの話も10年選手ばかりでは受ける訳にはいかない。

時間がきたので俺は出張見積もりに向かう。
「引越しするんでですが、色々あります、アンティーク調や新しい家具など10点以上はあります」
1~2点であれば電話で答えるが、まとまった点数であれば出張しても無駄ではないので出向く。

入口のドアーを入ると、玄関に古タンスが目に飛び込んでくる。
彼女は「このタンスです」とサンダルを脱ぐ前に言う。
「はい、他には・・」と俺が促すが、「これは幾らでしょうか?」と口調が強まる。

1点が高額品であればそれは構わないのだが、でも譲る気配はなさそうだ。
1点毎の見積に応ずることにしたが、もし仮に1点でしかも低額品だけなってしまうとリスクが出るのだ。
1~数千円を後日取りに行くとなると経費倒れ。

あろうことか彼女はノートを開いて金額を記入する、どうやら俺が一番目でその脇に縦線が何本も引かれているのだ。
ということは、何社も見積に来るという意味。
そんな具合に玄関、居間、2階のベットルームや書斎、廊下、洗面所を巡回して個々に見積もった。

「すいませんが、1点だけの買取は辞退しますので、個々に見積もりましたがトータルで依頼いただきたいと思います」
そんな口上を残して俺は次の現場に1時間かけて直行する。
雪が道脇に残っているが寄せて車を止めると、犬の描き声が響く。

ビクッと身体が身震いする条件反射を堪えて門扉を押す。
5~6m進んで木肌が一部剥きだした柱をかわしてインターホンを鳴らすが、鳴き声が大きくなる。
おばさんが迎えてくれて、玄関わきのリビングに入る。

「このソファーよ」
俺は目を疑う、だってぇ、肘掛の擦り切れて剥き出し、座面は黒色が色々擦れまくっている。
それにテーブルは経年変色しているのだ。

「息子さんの電話では・・立派だと・・・すいませんけど、これは無理ですね」
俺は早々に退散したくなる。
おばあさんは、「ゴミ処理場にも運べないし、どうしたらイイんですか、教えてください」

その日はやっぱり厄日(?)かしら?
店に戻っても似た電話しかこないのだ。
汚れたソファー、ちょっと壊れてる家具、ベットマットだけ、など・・・