リサイクル親父の日記

第507話 マイ喫茶店には驚きますねぇ~~

2012/02/18

人の趣味にとやかく言いたくないので堪えた。
所詮他人がどのように生きようが、暮らそうが関知することはできない。
俺も自分の趣味に対して誰かに批判や中傷をされたら耐えられないだろうな。

友人、知人、家族身内などが言う分には多少は許せるし、批判を受けても構わない。
それは俺のことを本当に考えていると思えればであるが、ヤジ馬的な非難には腹が立つだろうな。
だからという訳でもないが、普段は我関せずという姿勢でお客さんと接している。

常連さんと気心が知れる関係ができれば、それはそれで大人としての接し方はする。
ある日、突然初めてのお客さんから自宅の写真を見せられてしまう摩訶不思議なことがあった。
真っ赤な2シータースポーツカーは目にも鮮やかな新車。

小柄で毛糸帽子を載せた短髪白髪に口のまわりも白ゴマの髭がボサボサ。
防寒着の内ポケットからファスナー付き長財布を取り出して、写真を10枚俺に差し出す。
「喫茶店の準備をしてて・・・そこに似合いそうな物がないかな?」

重厚そうな大型食器棚、カウンター上にサイホンが3本立っている。
壁にはアンティーク風ディスプレーが賑々しく施されている。
カウンターイスは丸型で2脚しかない、他にテーブルやイスは映っていない。

「感じイイですね、何処で喫茶店やるんですか?」と褒めて、場所を聞いた。
「家でやるんだよ、娘と二人でコーヒー楽しむんだ」
その言葉を俺は理解できなかった。

写真をめくると、うら若い女性がサイホンの後ろに立っている図がある、娘さんだろうが・・・
「娘さんですか?・・・」褒めようのない女性ではあった。
「うん、短大出てさ・・有名な会社に勤めてて・・」娘自慢に時間を費やすのだ。

やがて彼は店内を探し物をするために徘徊する。
色々迷っていたが、壁掛けプレート、シルバーコインが26枚入り、を見つける。
「今度、娘を連れて来るんでさ・・それまで取って置いて・・」

「エッ、お支払いは?」
「娘に見てもらわないと・・それで良ければ買うけどさ、娘のための喫茶店だし」
「??・・??」俺はやっぱり理解できない。

彼は店を出た。
マイカップ、マイカーとマイ・・・は自己所有を表すけど・・・
すると、マイ喫茶店ってことか!?

漠然と赤いスポーツカーに乗ることを夢見ていたが、
もう乗らなくてイイや、自己チューになりたくはなくて・・・