リサイクル親父の日記

第510話 アンティーク家具って呼ぶんだぁ~~~

2012/02/22

仙台市泉区の高級住宅街と大方は見ている地区。
そこからアンティーク家具の買取見積が舞い込む。
一軒ごとの敷地も広い地区で注文住宅が建ち並んでいて、住居として憧れる場所である。

ゼンリンの住宅地図に載っていないから、ここ数年の新築だと想像できる。
新築で家具が不要になることはあるが、それは前の住居から持ち込んだ物を買い変えるという理由が一般的。
アンティーク家具は気に入って買い揃えた筈であり、それを5~6点まとめて売りたいというから理解不能ではあった。

道端に雪が残っていて、俺は滑って転びそうになるが、家は直ぐに分かった。
新築のピッカピッカした白い建物は、玄関扉も高くて大きいし、玄関から居間にかけて大きな吹き抜けが気分良く感じられる。
リビングの通路わきにライティングデスクが見える。
「まず、このライティングね、金具は直せば大丈夫よ、引出し渋けど・・ロウを塗れば問題ないでしょ」
俺はひと通り検品した。

続き部屋は書斎風なのか和机が真っ黒い状態で置いてある。
キッチン前のダイニングテーブルにバラバラのデザインのイスが数脚。
「次は二階ね・・・このチェストと本棚・・これでお終い、幾らで買い取ってもらえますか?」

「新築でしょ?どうして使わないんですか、せっかく揃えたんでしょう」
「転勤ですよ、九州でね、家は貸すことにして、運賃高いし、部屋狭いし、だから処分すんのよ」
「そうですか、うちはこの辺の家具はあんまり得意じゃなくて・・・安くしか・・」

「アンティークだもの、それなりに高い筈よ、もう5~6社に見てもらってるがね」
「そうですか、みなさんはどれくらいで見積してますか?」
「うん!高いところは高いけどな、どうして?」

「・・・それでは、うちは見積辞退します、高くは買えませんし」
俺は家を後にして、どこの誰が高く買取するんだろうかと少しだけ疑問が湧く。
あれはアンティークって呼べない、まぁレトロに近いって感じでしかない。

和机は古いけど知れてる。
洋家具はどれもが古く見せた物だし、状態がすこぶる悪い。
金具止めが壊れてたし、天板には擦り傷がうっそうとしてし、テーブルは止めがボルトではなかったか。

アンティーク家具って呼ぶには拙い、俺は恥ずかしくて呼べないし言えない。
しかし当人たちだけが勝手にそう思うってのは何か変だよな、やっぱり変だよ~~