リサイクル親父の日記

第533話 無謀すぎないですか、その起業は・・・

2012/04/07

仙台市太白区東中田に店がある。
車で15分くらいで長町という太白区の中心部に行ける。
区役所もあり西友の大型ショッピングモールもあり賑わっている。

その近辺に買取に行って来た。
「冷蔵ショーケースがありますが、多分1年前の物ですが・・・買取できますか?」
青年の声には張りも元気もある。

国道沿いのマンション1階はテナント3店舗、左側が蕎麦屋さん、右側が事務所、彼の店は真ん中だ。
それぞれ4台の駐車スペースが割り当ててあるが、横止めのため店舗の幅は狭い。
店舗内が養生されている、改装工事中で片側にテーブル椅子などの什器が重なりビニールシートで覆われていた。

シートの一部を外して、「これです、幾らになりますか?」ギラギラした目で俺に言う。
検品して問題もないし査定金額伝えると、少し考えたが了解した。
「これからピザ屋をやるんですよ、前の人はカフェでして、居抜で買い取って、それで改装して・・5月には・・」

「エッ!あなたがピザ屋さんをやるの?経験はあるの?資金相当かかってるよね」
俺は矢継ぎ早に質問してしまった。
この青年が心配だし、どうして今この場所でピザ屋をやらなきゃならないのか、不安だらけじゃないか。

俺の不安など意に介さず彼が答える。
「ナポリから窯を輸入して・・・ピザ屋で働いてたんで・・・店の買取に300万円、なんやかんやで1千万円ほど・・・」
金があるのかないのか測りかねるが、車は小型車で側面に擦り傷が残っている。

店は10坪強で客席は精々15席だろう。
本格石窯ではあっても、この店で毎日何食売れるのか?
イニシャルとランニングコストを考えれば何ぼ売らないといけないのか?

市場はどうかと考えれば、国道沿いで車通りは多く通行人はそれなりだと思える。
一帯は居住地域であり行き過ぎる通行人が多いが、繁華街とは程遠い。
客単価1千円で粗利益60%として、600円X50人で3万円。

人件費に家賃、光熱費を差し引いて、更にローンや償却費用を考慮する必要もある。
あの立地と店構えでは毎日50人も来てくれるとは思えない。 
無謀すぎないですか、その起業は・・・瞬時に胸を過る。