リサイクル親父の日記

第535話 めまいがしたぁ~~~ホントに目眩が・・

2012/04/11

仙台市太白区八木山はその名の通り山なのだ。
山を開発して住宅地にしたために道路の勾配が激しく、古い開発地域でもあり道幅も狭い。
碁盤の目のような区画整理だが2トントラックでは難所が多いからあまり好きではない。

トラックを止めると高いコンクリート壁が立ちはだかっている。
半間幅の階段を5~6段上って踊り場、90度曲がって又5~6段上る、更に数段登らないと敷地に着かない。
それほどの急斜面を削って造成したのだ、八木山一帯はこんな感じの住宅地なのだ。

古い2階建、玄関から通路を抜けて居間に入ると台所と和室が一体に開けっ放なされてた。
「これのサイドボード、こっちの食器棚・・・・」と彼女は説明する。
彼女の後を追って品々を確認する、数回行ったり来たりしてた。

「もう直ぐこの家を解体するから、こっちの物は引越し先に持って行くの・・」
欲しいと思った物は対象品ではなく残念な思いをする。
先の階段を考えると大型で重い物は運ぶのに危険もあり避けた方がベターだ。

成果が無いのも困るから、そんなことを考えた。
「・・ダイニングセットだけですかね、他の物は難しいです」
「やっぱりねぇ、ダイニングだけでも・・イイわよ・・家がね傾いてて1時間いると気持ち悪くなるのよ」

「えっ、そうなんですか、なんか変な感じがしてました」
ウロウロ歩いてたが何か違和感があって、一種の浮遊感のような気分がしてた。
「10cmの傾斜ですって、だから片付けも思うようにできなくて・・・マンションに移るわ」

意識して家の中を見ると、確かに傾いてるのが分かる。
その後もウロウロすると、彼女の言う目眩のような不安定さが迫る。
昔、初めて職に着いたのが船乗りだった俺。

練習船でシケに遭って上陸した時に、陸が揺れてたのを覚えてる。
立ってても周囲が揺れる間隔がする。
久しぶりに船乗りだったことを思い出した。

何十年も前の記憶ではあるがハッキリ覚えてる。
船を止めて陸に上がってからも、俺はシーマンシップで生きてるんだ。
これからも・・・