2012/04/14
4月も半ば、人事異動も大方終えたのだろう。
リサイクルショップは古物商という業種であり、各県の公安委員会から許可証を交付されている。
実質の管理は警察であり、盗品調べのために各署からランダムに古物台帳をチェックに来る。
近くの交番からお巡りさんが来て、店の登録カードの再確認に来たことがある。
十数年も営業しているが、毎年来る訳ではなくて、思い付きで来る感じを受ける。
控えのファイルを見ながら、一から聞き始めたので俺はそれどころでもなくて・・・
「そのファイルと変わったことはないですよ」とじれったくなって言ってしまう。
若いお巡りさんは帰り際、「何か困ったことがありましたら連絡を・・」と言ってくれた。
「・・そうですか~~それでは資金繰りが大変なんで、なんとか・・・」と融資を申し込んだ次第。
昨日昼ごろ、スーツ姿の2人組青年が店に入ると早足で売場を回っている。
家電棚や工具売り場を入念に見てる、更にブランドバックのガラスショーケースを頭をぶっつけるほど眺めてる。
行動具合で彼らが刑事なのは直ぐに分かる。
特に若い刑事は所作があからさまなので簡単に判断できるし、職務に忠実に行動する。、
やがてレジにる俺に近寄って、ポケットから例のあれを取り出してボソボソと小声で言う。
「XXX署の者で・・・」、テレビで見るような堂々とした態度ではなくて控え目気味。
「ご苦労様です!」俺は大きな声で答えると、来店中のお客さんが一斉に彼らを見る。
「・・台帳見せて下さい」と紅潮した顔で用件を言って、それを調べ始める。
暫し2人はページをめくってたが、所々で手帳に記入している。
そして、質問が始まる。
「この工具はまだありますか?どんな感じの人ですか?」、「このテレビは売れましたか?」・・・
盗難届かの多い物、テレビ、PC、貴金属、電動工具、ブランドバックなどの買取について聞いてくる。
相手が刑事なので知ってる範囲では答える。
最近の買取であれば思い出せるが、数ヶ月前のことを詳しく思い出すことなんてできやしない。
お客さんもいるし店の業務もあるから気が気でない。
「今度XX署に異動したばかりで、あんまり詳しくないので、これからいっぱい来ますのでいろいろ教えてください」
その言葉に俺は唖然となる。
「定期的に来てる刑事さんもいますので、できればそちらで情報交換でもされた方が早いと思いますが・・・」
新任刑事さんに俺が教えることは何もない。
「ところで最近警察関係の不祥事多いようで大変ですね」
俺は同情の声をかけた。