リサイクル親父の日記

第544話 戦い済んだモノたちは・・・

2012/05/05

連休の子共の日だが俺のリサイクルショップは全く無関係らしい。
大雨も過ぎて天気は回復、5月下旬並みの気温で外は日差しが強い。
行楽には申し分なくて各地が賑わっているようだ。

大人向け,お仁さんおばさん向けの俺の店、行楽にはいかないだろう人たちがパラパラとお客さんとして来てる。
季節がらか午前中にエアコンが2台売れた。
4月後半から倉庫を整理整頓をしている。

10年前から去年あたりまでに仕入れモノで店で売れなかった品々。
再度価格を見直して店出ししたり、モノによっては三度目だったりする。
しかしモノによっては俺のお客さんには向かないこともあり、その辺を見極めする。

4月に骨董のセリに出品して捌いた。
まだまだ在庫はあるから、再度セリに出品しようと思う。
特にセリで仕入れたモノには踏ん切りをつけにくい。

原価を鮮明に記憶しているモノを赤字覚悟で出品することに対して、自責の念がふつふつと沸くのだ。
1点ずつ判別しながら、惜別の念を断ち切るという虚しさは悲しくもある。
中には思わぬ高値を付ける場合もあるが、当時の俺の見熟度からすれば極稀。

赤字は勉強代だった証し、苦い経験はこの先役立つだろう。
踏んだり蹴ったりされつつ歳を重ねて身に着くのだろう。
骨董にかかわって早10年以上だが、密度が薄いのでなかなか知識が溜まらない。

数日後に出向くセリで鎮魂しつつ俺はモノに謝意を送るだけ。
店として一般のお客さんに引き渡してやることができなかった。
俺の店としての戦い(販売)を終えたのだ。

だからセリで何処かの誰かの手を通してお客さんに渡るのもしょうがない。
生き馬の目を抜く輩のセリ場だから俺は敵う筈もない。
この修羅場をもっともっと耐えて通過しないと、俺も一人前にはなれない。