リサイクル親父の日記

第548話 ごめんなさい、リピーターさん

2012/05/16

突然、電話で言われても思い出せないことがある。
「・・あのね・・若林区のXXXハイツで事務機の買取を・・佐藤だけど、分かりますか?」
電話の相手を特定できるほどの記憶力は持ち合わせていない。

若林、XXXハイツ、事務機買取、佐藤さん・・・キーワードを頭で反芻するが何も浮かばない。
「・・あの~いつ頃でしたかね?」弱い声で恐る恐る聞くと、
「そちらはリサイクルショップの・・・で・・・さんだよね、ほら、買取の後にゴミ処理屋さんを紹介してくれたでしょう・・・そうだねぇ、2~3ヶ月前のことだよ、本当に憶えてないの?」

確かにゴミ処理屋さんを紹介したことはある、あるが、他のキーワードと結びつかないのだ。
キーワードが点の状態でどうしても線にならないから、頭は混乱状態。
「すんません・・その時期は連日何件も買取をしてます、3月、4月は忙しかったから・・・」

「・・う~ん、名刺の人だよね・・・」思い出さない俺に彼は苛立っている。
「ところで何か売りたいとか・・ですか?」俺は本題を問うことにした。
「うん、タンスや机を・・今度、引越すことになってさ・・又、買取してもらおうかと思って・・・」

そして見積の日取りを決めて電話を終える。
・・・・・
じっくり落ち着いて呼吸を整えて、キーワードを反芻して可能性のあった買取の記憶を辿る。

どうやら該当する買取は1件しかないのだ。
でも・・・あそこはマンション1階だったから、XXXハイツではないだろう。
早速住宅地図を開くと、正しくXXXハイツと読める。

そうして俺は点のキーワードが極太直線になったのだ。
俺の記憶によると、7~8階建の立派なマンションはもっとお洒落な名称である。
事務機と呼ぶよりは、ショールームの什器類と言った方が合っていた代物だし。

佐藤さんと言う名前はありふれ過ぎて記憶に全く無かった。
もう少し別な言い方をしてもらえれば一発で思い出せたはずと確信する。
そのものズバリ、当時言ってた通りの言い方。

「しまむら」の隣のマンション、ブライダル関係の店舗・・・とかね。