リサイクル親父の日記

第549話 モチベーションってことで・・・

2012/05/18

彼はすまなさそうに言った。
「わざわざ来てもらうほどでもなかったね、電話すれば良かったかな・・」
でも、最初に電話をくれたのは彼なのだった。

「家が半壊だったんで、リフォームして貸すことにしたんだ、家具とか要らなくなるので・・」
昨年3.11大震災後に全壊、半壊家屋の解体が行われている。
その時に家具などの買取依頼はいまだに続いてる。

出張買取に出向いて、家の中を探し回って商品を集めるのが俺の仕事。
大切な物を持ちだした後だから、家主にとっては不用品であり案外安く仕入れができるのがメリットだろうか。
ある無しにかかわらずにできるだけ出向くことにしてるし、その労は厭わない。

「実はさ、おたくを見つける前に骨董屋さんと本屋さんなどに来てもらってんだ」
俺はやっぱりと思う、だってあまりにも物が無さ過ぎる状況。
それに誰かが探し終えた痕跡が散見されるから、それは同業者に違いないと思えるのだ。

でも俺もここまで来たのに手ぶらで帰りたくなくて、家の中を隈なく2回見歩く。
彼も同情心が湧いてるようで・・・「こんなのどうかな?」と何度も勧めてくれる。
「おたくのブログ読んでさ、頼もうと思ったりして・・・もっと早くブログを見つければ最初に・・・」

この一言が俺をどれほど嬉しくさせたか、いや、書くモチベーションを上げてくれたことか。
ブログを読んで電話をしてくれる方が確かにいるのだ。
読むことで親近感がでるようなのだが、どうせ頼むならリサイクル親父に頼もうかと。

「大きなこけしも30本はあったし、お袋は着付けと花を教えててね、その物もかなりあったんだ」
あ~ぁ、俺の得意な物だったよね、とちょっと悔しい。
逃した魚が大きいかどうかは分からないけれど、遺失利益は確実。

火鉢に馬の置物、灰皿をそれでも引き取りさせていただく。
「もし、又いつか売りたい物がでたら、電話下さい」
少ないが年に1~2度はブログを読んで電話をくださる方がいる。

ブログを書くモチベーションが低下してたが、ちょっと上がった気がしたのは錯覚ではないと思う。