2012/05/26
リサイクルショップをやるまでは何にも分かんなかった。
そんな無知だった俺もいつの間にか多少は分かるようになったらしい。
小売も初めてだったし、接客などは何をどうしたらイイのか検討もつかなかった。
起業する、何が何でも開業して、店を軌道に乗せたい一心で無我夢中ってこと。
リサイクルショップでの起業を思い立った時に考えたのは、人はなぜリサイクルショップに来るかということ。
イイ接客でも、丁寧な言葉使いでもなくて、究極として「安さ」を求める筈だと考えた。
その原点を外さなければ軌道に乗ると思えた、だから、それ以外のことは全く心配しない。
どうしたかと言えば、俺が小売店で感じたことの無駄や無意味なことの排除であり、最低限だけのフォローに徹すること。
ぶっきら棒な挨拶かもしれない、説明不足だったろう、でも、それを凌駕する「安さ」の魅力ではないか。
取り扱う品々も知識は無いに等しく、分からないことは説明もできず、結局、全てを「安さ」に委ねていた。
そのスタートから早10数年経って、知らず知らずのうちに少しは知識も増えている。
実用品であれば大概は説明無しでもお客さん自身が判断できる。
或は、お客さんが詳しく知っている物であれば判断する。
それは品物と価格や価値の2点を知っているから、「イイ」かどうかと「安い」を判別してることなのだ。
しかし、お客さんがあまり分からい場合の判断には、店側の説明があった方がベターである。
品物の知識や価値の説明を聞いて、お客さんが咀嚼して判断すればいいのだ。
必要以上に押し売り的説明は避けているが、説明が後押しする場合もあり、ころあいが難しいと言えば難しい。
常連さんであれば気心も知れているから、知っていること全てと俺の気持ちも含めて話すが・・・
お客さんのプライドを尊重してはいるが、彼女らの間違いを訂正すべきどうかこの頃少し躊躇している。
「深川製磁」という主に和食器メーカーがあって、皇室御用達になっている。
富士山のロゴマークも特徴があるが、一流メーカーと呼んでも問題はないかな。
だからアピールするために値札に「深川製磁」と記入したりしている。
ある日、常連のお婆さんが、「これ素敵ね、頂戴・・・何ていうの??・・・シンセンセイジか・・やっぱりイイわね」
「あっ、フカガワセイジは皇室御用達だし、綺麗ですよね」と俺はこっそり訂正してあげる。
後日、彼女が友達と来た時には、「あのね、このシンセンセイジは皇室・・・、わたしも持ってるのよ~」と特になっていたんだ。
彼女は最近上海あたりに旅行に行ったから、中国の「シンセン」が深く記憶されたのかもしれない。
別なおばちゃんは、「深川セイトウって素敵よね、これもらうわ」って言うから、
「ハイ、フカガワセイジですよね」って訂正してあげたんだ・・・が、
やっぱり後日、「わたし、フカガワセイトウを集めるようにしたの・・友達も・・」
俺もたくさん間違って覚えてる言葉ある。
セレブとセフレはいつもどっちがどっちか分からないし、ある意味でどっちも俺には関係がないけど・・・