リサイクル親父の日記

第553話 ・・と・・ある日の賑わい

2012/05/30

店の大家さんは大地主なのだ。
店の敷地は4号バイパスに沿って横長に広いから、テナントは20店を下らない。
その中の1店が俺の店だし、テナント同士の繋がりは特にないが、顔くらいは知っている。

それでも退去店もあるし、空き店舗があったり無かったりする。
知らない間に空いたり入ったりしている。
俺が他所の店に無関心なのは、よそ様を気にするほど興味もなく暇もない。

数ヶ月前に30代中のご夫婦が粗品を手に挨拶に来た。
バリバリ頑張ってる雰囲気は久しぶり接した、俺は彼らの今後の苦労も想像できる。
起業の大先輩、単に年上ってことかも知れないが、俺には眩し過ぎる希望を思い描いてると感じられた。

彼らのビジネス内容は特殊な傾向のレジャー産業の一種なのだが、店舗づくりは一般大衆相手を目指してる風。
開店から1~2週間は友人知人など頻繁に来てたが、1ヶ月も過ぎるとパタリと来店は無くなっているが・・・
それは特殊なビジネスの傾向だから、儲けがどうかはそれだけでは判断できないけど、頑張って欲しいと思ってる。

先日、中肉中背の40代の男がバックを携えてニコニコしながら店に来た。
てっきり売り込み営業マンかと思ったが、「今度、セブンの向かいに入ったXXXです、よろしく・・・」
「もし、駐車でご迷惑かけた場合には連絡ください、移動させますから・・・それでは・・・」

その店と俺の店とは約100mも離れているのに、どうして駐車で迷惑がかかるか不思議で仕方無かった。
翌日、珍しく朝一番からお客さんがドヤドヤっと数組、合計10人もやってくる。
誰もかれもが何となく雰囲気が似通っている風。

全員お年寄りで服装が妙にダサい、郡部や田舎方面の人ばかりと見受けられる。
訛りも仙台弁なのだが強い、店内を物色し回るが買う気はなさそう。
やがて一斉に店を出て車を駐車したままであらぬ方向、例の店に向かうのだった。

2~3時間後に彼らは一応に大きな袋を満杯にして戻ると即車で帰るのだ。
そんな状況が続いている、その店を遠くから眺める。
ノボリが林立、大きな張り紙にチラシが何十枚も外壁に貼られていた。

俺は以前知り合いが通ったそんな店を思い出す。
健康食品を高額で買わせるのだが、前段に日用品を激安で次から次に手を上げさせて売る。
「ハイ、ハイ」商法(?)、激安に反応して手を上げると、手を上げる癖がつくらしい。

最後に高額品で釣り上げるのだが・・・
初めは10円、100円で買い得を味わされて、最後に何万円、何十万円の品を掴ませられる。(らしい?)