リサイクル親父の日記

第564話 店で使う物、ないかい?

2012/07/07

できるだけ種類多く品物を揃えたいと思っている。
商品を集めるのが一苦労だから、身近に集まる物をできるだけ商品にしてるのが事実。
日用品から業務用品までとアバウトで広範囲であるが、専門的に見ればどれもが物足りないはず。

おばちゃんが入ってきて即言う、「あのさ、店で使うの、ないかい?」
探し物を尋ねるお客さんはいるが、品名を言うのが普通かな、次に用途やカテゴリーを言って聞くのが常識。
突然「店でって・・」言うのは珍客だし、「店」ってどんな店だか分からないから答えようがない。

「店でって?・・どんな店なんですか?どんな物を探してるんですか?」と俺は聞く。
「焼鳥屋だよ、そこで使うの・・・ないかな・・」
「厨房関係はあっちの奥の方にありますよ」と俺はおばちゃんを隅の奥に導く。

ガチャン、バシャン・・・などと擬音が暫く続く、あんまり長いから俺は様子を見に行く。
「決まりましたか?」
ステンバットを大中小計7~8点、駄円大皿10枚、寸胴鍋、焼物皿2~30枚を選ぶ。

又探し回り、「これ・・これもだよ、揚げ物に使うから」と新品の長火箸を示した。
「まだ足りないけど・・・又来るから」
「あの、これから焼鳥屋を始めるんですか?」

「うん、そうだよ、店子を出したの、建物に勝手に工事してさ、それで裁判して・・・・場所は・・・のコンビニの向かいでXXXって店だったよ・・」
俺の知ってる店名だったし、10年以上も大盛況の繁盛店である。

しかし、おばちゃんの歳を考えると、これから飲食業ってことはないだろうに・・・
事情は分からないが、繁盛店からは家賃の取れっぱぐれは考えられない。
あの場所、飲食店としては決して好立地じゃないんだ、それなのに自分で今更やるんだって。

それにどうしてと疑問は消えないし、そんなやり方で大丈夫なのと心配も湧く。
例えば、揚げ物用に長火箸を使うっていう神経が分からない。
あれじゃ手首が腱鞘炎になるし、その考え方で焼鳥屋を見よう見まねでやってしまうの。

そんなおばちゃんと会って俺は前のテナントを思い出した。
10年以上前に彼らの店は俺の店の近くにあったから時々飲み食いした。
活気があって大賑わい、1~2年後に移転しておばちゃんの物件に引越した。

満席で俺は何度もカラぶった程の繁盛店だよ、だから調べた。
想像以上に発展してて仙台中心部にも何店も出店してた、やっぱりなと頷けた。 
おばちゃん・・・何でトラぶったのさ・・・家賃くらいは儲かんないよ・・・いや、赤字かもよ。