リサイクル親父の日記

第578話 外見だけじゃ・・人も・・・

2012/07/24

仙台市の震災による解体受付がもうそろそろ終わる。
家の中の片付けや修理するかどうかの判断を時間をかけて待っていたようだ。
作業するにも件数が多過ぎたので時間は必要だったと理解できる。

泉区鶴ヶ谷という場所は字の如くに「谷」だった所、山と山の谷地を均して埋めて開発された。
問題は盛り土部分なのである、その家は境目に跨って建てられていた。
道路側が玄関正面で一見すると欠陥なんて気付かない。

「ホラ、こっちに来て・・裏の方が・・気をつけて歩いてちょうだい・・・」
おばさんは家の裏に案内すると、何とも言えない惨状が目に入る。
土台の一部が30cmずり落ちているのが分かるし、隣家との境は段差が大きく崩落してるのだ。

軒下から壁に数条ひび割れがあっちこっちに走ってる。
「中の台所や奥の方も・・傾いてしまってる・・・解体するしかなくてね」
おばさんはもうすっかり諦めきっていたのと片付けに追われてて忙しいという風情。

「あの後、マンションに引越してね、地主さんが言ってたけど、この辺は谷側だったと、捨てるには勿体ない物もあってね・・誰かに使ってもらえればと思って・・おたくに引き取ってもらえば・・・」
和室の畳全面に日用品を並べている、他の部屋はゴミ処分される物を片付けて置いてある。

おばさんの家の両隣や近所はちゃんとしてて皆さんが普通に生活している様子。
運悪くそこが境界の上だったということに運命の悪戯を感じる。
それにしても外見はちゃんとしてるのに・・・俺以上におばさんは思ったろうに・・・

別のおばさんのことだが、常連さんでしょっちゅう夫の悪口を言っている。
何もしてくれないとかブツブツ話すのが癖で、ストレスを発散してるようでもある。
俺はその夫婦の関係は分からないし、おばさんの言ってることしか知らない。

先日食器棚を配達に行った時、おばさんが夫に命令しているので驚いてしまった。
「あなた!そこ拭きとってよ、早くして!そこに置くんだから!!!」
古い方を取り出したばかりで積年の汚れが顔を出した。

いつも聞かされた話では、おばさんが虐げられているのかと思っていたんだ。
目の前の光景は真逆、おばさんが威張って命令しまくっているのだ。
自分の思うように動かない夫に理想の夫像とのギャップを感じてるのだった。

あの怒鳴り方に、人は見かけによらない・・・納得。