リサイクル親父の日記

第580話 絶対にまけないの!?

2012/07/26

お客さんの何割かは必ずまけろと言う。 
リサイクルショップだから露天商売やフリマ感覚で買おうとするのだろう。
今日はおばちゃんがおじちゃん2人を従えて来て、まけろを連発した。

おばちゃんは小金持ちで何かを仕切ってるとか経営してるようだ。
男勝りな歩き方、喋り方をするし、男2人には完璧に優勢な言動をする。
「XXさん!これでイイだろ?こっちの安い方でイイから・・・」とポンポン指示する。

「このガラステーブル、500円だし、2階に置きなよ、それに・・・」
ガッツガツ歩き回ってチョイスしてる。
「ちょっと~、店の人」と大きな声で呼んでいる。

「ガスコンロまけてよ!」、小額品では言わなかったが、1万円の物だと交渉力を発揮しようとする。
「すいませんが・・・」俺は小声で答える。
「そんなこと言わないでまけてよ」ハードネゴシエーターは必ず繰り返すものだ。

「いや・・できませんよ・・」更に小声で・・・
業を煮やしたおばちゃんは顔色を変えて、「ぜ、絶対にまけないの!」と大っきな声だった。
俺は無言で顔を振った、すると頬を膨らませてプイッとよそ向きする。

ガスコンロは安全装置が付くようになってから値段が高くなってしまってた。
中古も全体的には高くせざるを得ないし、それでもリーズナブルにと心掛けている。
それに買取数が少ないし、現在はちょっとした希少性もあるのだ。

売れ易い物は値引きしながら売ることもない。
今までにもガスコンロの値引きを断って売れ残ったことがあるが、その内に別の誰かに必ず売れるのだ。
それに居丈高な物言いに俺は頭にきてしまう、俺の最大の欠点。

客商売だしそれくらいで頭にきてたんじゃ身がもたないのだが、1~2回の説明で引いてもらえればイイんだが・・・
あまりしつこく何度も値引き要求されて、まけないのが悪いような言い方をされるんじゃ・・・となるの。
一般的にはこれくらい鼻を曲げると買わない。

ところが、「まけないって・・しょうがないから買うわよ」と憎まれ口になる。
本性を見たりって気がするが、強引強欲なトークが炸裂するリサイクルショップ現場。
こんなお客さんばかりだと例え売れても落ち込むし、俺の方も気分が悪くなってしまう。

暑くって息苦しい午後の店内で無茶苦茶言われると、反論してもしょうがないと分かっているがカッカきてしまう。
だからスーッとかわすように心してる。