リサイクル親父の日記

第583話 不動産屋さんが金のかからないようにって・・・

2012/07/29

数年間に事務机とイスなどを引取した不動産会社があった。
俺が引き取りをすると部屋はガランとして、異常に空間が広々してしまった。
若い社長さんは会社を極端に縮小して、1人で再出発するように思えた。

数ヶ月前に再度依頼があって出向いたが、今回は古目の事務机とイス2脚だけで足代にもならない。
でも俺はリピートしてくれる気持が嬉しいし、再会にも興味がある。
「忙しくはないですよ・・でも、1人だから気楽ですね」その本音に俺は深く同意できる。

その彼からつい先日電話をもらい、「家の売却に伴い不用品がたくさんあるからどうですか」という有難い話だ。
仲介を手掛ける1軒家は敷地160坪だが古家、だから解体して更地にするという。
娘さんは都会に嫁いだので父母の家は手放す、その片付けも彼は一任されたようだった。

娘さんがあれやこれや片付けを手配すると、とんでもない出費だと分かった。
そこで彼が費用のかからい方法と安く済ませる方法を教えて、全幅の信頼を得たようだ。
そんな中の一業者に俺も入ったのだ。

古家に入って彼が示す家具を見ると、やはり古過ぎて商品にはキツイ。
グルリと見まわすと各部屋の押入れも本棚もサイドボードなど収納部分には手がつけられていない、まだ片付けられていない状態。
「家具類は難しいけどこの中身は欲しいですね、家主さんに聞いてもらいたいんですが・・・」

彼はケータイをして・・・娘さんが近々に来仙して選別するから、その時に再度来てくれと話を繋いでくれた。
その日出向くと勿論初めて見る人たち5~6人が騒々しくあっちこっちの片付けだ。
俺は名刺を渡すと、「すいませんね、何度も・・・何か役立ちそうな物があればどうぞお持ちください」と娘さんが言う。

早速俺は彼らが片付け終わった部屋から物色を始める。
油絵にリトグラフ、置物、飾り物、箱入りギフト関係を選ぶ、次に2階の部屋に上がる。
娘さんはそこら辺を片付けている。

「こけしもイイですか?」と聞くと、「え~ぇ、こけしもイイですね、これは輪島塗だけどどうですか?」
俺は耳を疑う、霧箱入りの輪島塗蒔絵が入った立派なものなのだ。
「わたしは興味ないから・・何方かに使ってもらう方が・・」スッキリサッパリした物言いに俺は感銘したんだ。

次に桐箱に更に漆塗りに入った掛軸、こちらも立派なものだ。
同様に俺に譲ってくれる、そうこうしたら車が一杯になってしまった。
汗グダグダになって俺はやはり汗だくの娘さんにお礼を言って辞する。