リサイクル親父の日記

第590話 帰るコレクターってダジャレってしまう

2012/08/05

コレクターは労を惜しまずどこまでも出かけるらしい。
俺の店にも様々なコレクターが来てるし、彼らは総じてリピーターである。
陶磁器、掛軸、武具、洋食器、アンティークやレトロ家具、などなど・・・多種多様って感じ。

1~2回買ってくれると会話をするようにもなり親しくなる。
俺の常套手段だが会話をしつつ、彼らの嗜好を探ると共に他店の情報も得る。
彼らは駆け引きをしないし思うがままを語るので参考になる。

南方の木彫り、土着の素朴な木彫り人形ばかり買う人がいる。
本人は年に数回は東南アジア方面に旅してるので木彫りにとっても詳しい。
わざわざ土産品として買って帰るには大きくて重すぎるから避けている。

だけど木彫りが大好きで買い漁っていて、今じゃ2~3千体は持ってるそうだ。
店にあれば何本でも買ってくれるから、ここ5~6年間に俺の店だけでも100体以上は買ったんじゃないかな。
こけしコレクターも数人来てる、彼らもチョコチョコ来ては買っている。

一様に口にする言葉は、「あるんだけどな、見ると買いたくなる、それがマニアかな」と自嘲する。
そんなコレクターをガッカリさせたくないから在庫を切らさないように努めるが、皆無状態が長引くこともある。
そんなアイテムの一つにカエルがある。

数年前に来てから時々寄ってはカエルだけを買うのだ。
大小問わず、新古も問わず、カエルであれば何でもって感じだが、1回の予算があるらしい。
予算オーバーの場合には、どれを買うかチョイスに時間をかける。

「こっちは次に来た時にあれば・・」と諦めるが、1ヵ月もせず再来して喜んで買うという具合。
半年前に最後の1個を彼が買って在庫払底した。
俺はセリで石造りカエルを頑張って仕入れた。

彼が買うという予測だし儲けも少なくリーズナブルに値段をつける。
大震災後は半年以上間隔が開いたが、その後はペースが戻り1~2ヶ月に1度は来ていた。
・・が、1月、2月、3月と経っても現れない・・・

他のお客さんでもカエルに興味を持つ場合もあるが、しかし買うかというとこれがなかなか決断しきれない。
4~5ヶ月頃には彼を思い出すが、俺の中でも諦めも同時に出てくる。
そうして半年経って彼が来たのだ。

「いや~怪我しちゃってさぁ、おっ~このカエル、イイね」と一発で気に入った。
やっぱし帰る(カエル)(買える)コレクター。