リサイクル親父の日記

第599話 祭りは終わるけれど・・・

2012/08/18

8月になってから東北は祭りだらけって様相。
今年はオリンピックもあったし、そしてお盆と続いてる。
オリンピックの余波であろうが、メダルを取った有名選手が東北被災地を凱旋してる。

芸能人や有名選手が来れば話題にもなるし、被災地の支援にも繋がればと期待はしている。
直接会ったり見たりした特に子供たちにとってもイイ刺激になるし、本物を知るという機会だろう。
俺はその手のイベントには一切行っていないから、大人よりも子供たちが希望と勇気を持って来ることに嬉しさを感じる。

気になってた小中学時代の同級生にお盆に会った。
三陸町に嫁いでた彼女は津波で息子を失ってた。
約20年ほど前には最愛の夫を病気で亡くしてる。

「・・本当に・・大きなことがある人生だわ・・・時が経てば悲しさも小さくなるって・・・
そんなことはないわ、時が経っても昨日のことのようだし・・忘れことなんてできないわ・・・」

グサッと胸に刺さる言葉だったし、自分にとっての大きな出来事はいつまでも心に残っている。
俺も振り返ると、ことが大きいほど忘れることはないし、ありありとフラッシュバックしてしまう。
最愛の夫であり息子となれば俺には想像はできない程なのだろう。

あれから1年5カ月過ぎたが、癒されることはないのだろう。
ズーッと心に重く横たわるであろう思いは、楽しかったことも悲しかったこと様々に織りなして居来する。
被災者同士ではあるが俺の場合は経済損失のみで済んでいるから、彼女とは全く違う。

彼女の心情を思えば慰めの言葉がむなしく響くと思える。
淡々と話す彼女の言葉を頷きつつ聞いてあげることしかできない。
過ぎ去ったことで済ますことができる筈もなく、そんな話から現在の状況に話が移る。

「今・・仮設住宅を訪問して被災者の相談にのったりしてるの・・町の臨時職員として・・・周に3~4日ぐらい・・
朝から車で何カ所か回るんだけど・・・」
その仕事にやりがいとも言えるような心境が少し見えた。